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【高校野球】U-18日本代表候補強化合宿で二刀流として持ち味を発揮した滝川・新井瑛太

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複数ポジションは必要条件


最速151キロ右腕・新井は紅白戦で148キロを計測。キレの良いボールを投げ込んだ[写真=早浪章弘]


 U-18日本代表候補強化合宿の2日目が4月4日、奈良県内で行われた。この日は紅白戦2試合(特別ルールで計14イニング)を実施。最終的に20人のメンバーを選出するにあたり、複数ポジションは必要条件である。中でも目立ったのが滝川高・新井瑛太(3年)だった。午前の六番手として登板すると2回1失点で、148キロを計測した。午後は外野手として打席に立ち、3打数1安打。二刀流として、攻守で持ち味を発揮した。

 今合宿は3日からスタートしたが、新井は途中合流した。同日に神戸Bブロック決定戦(対科学技術高)を戦い、7対0で7回コールド勝利し、県大会出場を決めていた。主将でもある新井は三番・投手で出場し、7回116球で無失点に抑えた。公式戦で当然、疲れもあったが、この日の紅白戦登板を志願したという。

「投げたかったんです。真っすぐで空振りが取れたので、評価していただけたのであれば良かったです。打撃では、変化球のレベルが高く、ついていけていませんでした。下重(下重賢慎)投手(健大高崎高)は変化球、真っすぐとも重く、ズトンときた。芹澤(大地)投手(高蔵寺高)はただ速くて、えぐかったです(苦笑)。こうした投手に対してもクリーンヒットを打てるようにならないといけない」

 ネット裏で見守っていた滝川高・近藤洋輔監督はこう評価した。

「ピッチングは春先から安定していたんですが、今までで一番の出来でした。いつもはシュート回転したりするんですが、真っすぐの質が良かったです。(三塁内野安打の)打撃はややせこかったんですが(苦笑)、逆方向にはいつでも流せる技術があるんです。三振をしないバッターなので、安心して見ていられる。今日は、本当にありがたい一日でした」

左打席では雰囲気を醸し出す。三塁内野安打を放つも、本人は課題を口にした[写真=早浪章弘]


 打席で独特な雰囲気がある。近藤監督は言う。

「あれが、大好きなんです。打席で『打ったろう!!』という戦う姿勢。オーラがある」

 視察したNPB球団スカウト幹部は「投打どちらも、良いポテンシャルをしている」と目を細めた。新井は「大学とプロで五分五分です。春、夏の結果次第で決断したい」と、慎重に言葉を選んだ。判断基準はこうである。

「強豪校を相手に奪三振数で圧倒した上で、完封する。一流の投手を相手に自分の打撃をする。ライバル校ですか? 昨年の夏は神戸国際大付に負けているので、リベンジしたい。この春は県大会優勝を目指し、夏のシード権を獲得する。滝川高校をアピールしたいです」

 前身の滝川中で、戦前から全国大会出場実績があり春12回、夏7回の伝統校も、1980年夏を最後に甲子園から遠ざかる。45年ぶりの復活出場へ、新井は投打でチームに貢献する。

文=岡本朋祐

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