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【高校野球】U-18日本代表候補強化合宿で小倉監督が言及した2人のサウスポー

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経験を積めばさらに成長


高蔵寺高の芹澤は紅白戦で最速146キロを計測。角度のあるボールにはスピンがあった[写真=早浪章弘]


 U-18日本代表候補強化合宿の2日目が4月4日、奈良県内で行われた。この日は午前と午後に紅白戦計2試合(特別ルールで計14イニング)を実施。ゲーム後はフリー打撃を行い、練習後、小倉全由監督が取材に応じた。

 冒頭で「皆、一人ひとりが良いところを見せてくれた」と全体の印象を語った。野手については「バットが変わったこと(昨年から低反発の新基準の金属バットに完全移行)で(木製バットにも)慣れているのではないか。足の速い人も多いですし、しつこさもある。打撃も持ち味を見せてもらったので、これから(の選考も)悩むことになる」と語った。

 投手についても「一人ひとりが自分のピッチングをやってくれた」と評価。選考段階であり、具体的な名前については挙げない方針であったが、小倉監督は「左で未来富山の江藤君(江藤)、高蔵寺の芹澤君(芹澤大地)は初めて見ましたが、真っすぐの良いボールを投げており、夏まで楽しみです。投手というのは経験値が大きな武器。甲子園のマウンドを経験している投手は、ゲーム勘に優れている。2人もこうした場をどんどん積んでいけば、楽しみです。今年9月の国際大会(U-18W杯、沖縄)は球数制限もありますから、コントロールが必要になってくる。タイプの違った投手をそろえていきたい」と明かした。

未来富山高・江藤も高身長の左腕で、持ち味を発揮した[写真=早浪章弘]


 180センチ左腕・江藤は140キロ超、182センチ左腕・芹澤は146キロを投げ、高い角度からキレのあるボールを投げ込んだ。愛知の県立校のサウスポー・芹澤は「こういった場所で投げられるとはイメージもしていなかった。昨夏の県大会で通用する手応えを得た」と話し、一冬で5キロ増の体重72キロになった。

「リリースの投げやすいところを意識しており、ボールの球質にもこだわっている。一流の選手が集まる舞台で経験できるのは、自信になる。また、チャンスがあれば、こういう場面でやりたい」

 ネット裏で視察したあるNPB球団のスカウト幹部も「センバツ出場組以外の投手では、左腕2人が印象に残りました。素質がありますね。高校生はまだまだ伸びる。これからも注目してきたい」と語れば、他の球団の管理職は今合宿の視察の成果をこう言及している。

「全国から有力選手が集まるこの合宿は、私たちにとって有意義な機会です。ここで評価させていただいた選手を、春の公式戦で優先的に見に行くことができます。センバツ大会の視察後(3月下旬)はすでに四国・九州では県大会が佳境となっており、東京には帰らず、そのまま大阪から移動しました。高校生は夏に向けて、これから一気に成長する。すでに大学進学を表明している選手についても、将来性も含めて視察を継続していきます」

 グラウンドだけでなく、多くの座学もあり、参加した38人は合宿3日間で得た貴重な経験を各校へ持ち帰り、チームに還元していく。

文=岡本朋祐

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