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【首都大学リポート】日体大が逆転勝利の好発進 流れを呼び込んだリードオフマン・小林聖周

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ウエイト・トレでパワーアップ


日体大・小林は一番打者として開幕勝利に貢献した[写真=大平明]


【4月5日】首都大学一部リーグ戦
日体大4-2武蔵大
(日体大1勝)

 首都大学春季リーグ戦が開幕。1部リーグは今年3月1日に開業した読売ジャイアンツの新しいファーム球場・ジャイアンツタウンスタジアムで開催。巨人軍のファーム球場で大学野球の公式戦が行われるのは初めてだった。

 開会式直後の開幕戦に登場したのは、昨秋のリーグ覇者・日体大と4季ぶりに1部へ復帰してきた武蔵大。「こんな素晴らしい球場で戦えることに幸せを感じながらプレーしなさい」と選手に話したという古城隆利監督率いる日体大は武蔵大が2点を先制されるも、4対2で逆転勝ち。3回表に同点のホームランを放ち、流れを呼び込んだのがリードオフマンを務める小林聖周(2年・浦和学院高)だ。

 浦和学院高時代、小林は2年春のセンバツに出場。和歌山東高との2回戦では3安打を記録するなど一番打者として活躍し4強に進出した。3年夏も甲子園出場。俊足で高校通算のホームランは14本だが、柵越えは5本でランニングホームランのほうが多かった。

 一昨年の明治神宮大会でベスト4に進出した日体大の戦いぶりをスタンドから観戦し「チーム力の高さを感じました」と入学を決意。昨年は1年生ながら春季リーグの開幕戦で一番・中堅に起用され、リーグ初安打をマークした。「日体大は二軍でもレベルが高いので競争意識が高く、そのなかで自分も成長できています」。その言葉の通り、秋はリーグ8位の打率.321とブレイク。明治神宮大会出場をかけた関東大会では共栄大戦でホームランを放つなど、大会通算で打率.467(15打数7安打)の好成績で敢闘選手賞を受賞。しかし、明治神宮大会は福岡大に0対4で初戦敗退。小林もノーヒットに終わった。

「本当に悔しい思いをしたので、その悔しさを持って冬の練習に取り組んできました」と、このオフシーズンは体作りから始めた。「体が小さい(162cm)ので、ウエイト・トレーニングで体重を増やしました」

 66キロから70キロまで体重を増やし、さらに、振り込むことでスイング力を付けてきた。「連続ティーなどいろいろな練習で多い時は1日1000スイングしてきました。基本にしているショートの頭上、左中間を狙って打つことは変えていないのですが、甘いところに来たら自然と長打が出るようにしていきたいです」。

目指すはタイトル獲得


 オープン戦では序盤から好調で打率4割、出塁率5割をキープ。「今季はどんなピッチャーに対しても、自分のスイングができるようになってきました。今はボールの内側にバットを当てるように意識していて、バットも内側から出すようにしています」。

 終盤にやや成績を落としたが、最後のオープン戦となった国学院大戦でヒットを放ってからリーグ戦に臨んだ。指導にあたる古城監督は「国学院大戦は午前中で終わったのですが、それから夕方の5時までグラウンドで練習し、その後もウエイト・トレーニングをしていました。よく練習する選手です」と目を細める。

 この日の武蔵大1回戦でも一番・センターで先発出場すると、2打席目に同点ソロをライトへ。「打ったボールは真っすぐ。2ボールだったので甘い球を狙っていました。感触は良かったです」。5回表の3打席目は一死二、三塁から「力んでしまいました」とレフトへのフライ。三塁走者がスタートを切ると、左翼手が落球してしまい、これが勝ち越し点に。日体大は先発のエース・篠原斗(4年・池田高)が7回を2失点に抑えると、8回表に決定的な追加点。4対2で武蔵大を下して、幸先の良いスタートを切った。

「チーム全員で開幕戦から勝ちにこだわってきたので、勝てて良かったです」と振り返った小林。今季は「リーグ優勝して神宮球場の全国の舞台へ戻り、チームに貢献しつつ、ベストナインや首位打者、MVPといった個人賞が取れたら」とタイトル獲得を目指す。

文=大平明

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