個性あふれるプレースタイル

左から法大・熊谷、立大・小林隼、慶大・丸田は健闘を誓い合った[写真=BBM]
東京六大学野球連盟は1925年秋に創設され、今年で結成100周年を迎えた。1世紀の節目となる春のリーグ戦は4月12日に明治神宮野球場で開幕する。シーズンインを2日後に控えた10日、東京都内で連盟関係者と関係者、報道各社による懇親会が開かれた。
加盟6校の監督、主将に加えて、東京運動記者クラブアマチュア野球分科会が選出した指名選手6人が出席。指名選手は異例とも言える、2年生3選手が顔をそろえた。
法大・熊谷陸(花巻東高)は昨秋、1992年春の早大・大森篤以来となる1年生首位打者(打率.471)に輝いた。「チームスローガンに『執念』を掲げているので、熱く、泥臭くプレーしたい」。昨秋はシーズン途中から二塁のレギュラーを奪取した背景もあり、今春は「全試合に出場してノーエラー。打撃ではチームの勝利に貢献したい」と、左右に打ち分けるシュアなバッティングを披露していく。
立大・
小林隼翔(広陵高)は1年春の途中から遊撃の定位置を獲得し、年間22安打。秋は初めて規定打席に到達し、打率.259、3本塁打、5打点とすでに、チームの中心選手としての存在感を示している。「(昨秋は)失策が多かった(4)ので、守備力強化を重視してきました。シーズン無失策が目標。打撃は昨秋の数字を上回り、攻守にわたってチームの勝利に貢献したい」。高校3年時にプレーした侍ジャパン高校日本代表では主将を任され、世代をけん引する覚悟を持っている。
慶大・丸田湊斗(慶應義塾高)は、2023年夏の甲子園優勝メンバーである。俊足巧打の外野手として、高校日本代表でもプレー。慶大では1年春から出場機会に恵まれるも、昨年は神宮の厳しさを味わった。春は4安打を放つも、秋はノーヒット(12打数無安打)に終わっている。「自分の武器である足を生かして、神宮を走り回りたい」と語り、「昨年は目に見える形でチームに貢献することができなかたので、目に見える形として盗塁王を目指していきたいと思います」と意気込みを語った。
1年生はキャンパスライフに順応するのが先決であり、野球部の活動においても、気を使う場面が多かったはず。大学の生活リズムに慣れた2年生は、過去にも多くの選手が飛躍のきっかけをつかんできた。熊谷、小林隼、丸田とも個性にあふれたプレースタイルで、スター性抜群。注目の大学3シーズン目だ。
文=岡本朋祐