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【首都大学リポート】昨秋二部で首位打者の武蔵大・種田太一 一部でもリーグを代表するヒットメーカーに

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チームの一部昇格に貢献


今春、一部に昇格した武蔵大で種田は存在感を見せている[写真=大平明]


【4月12日】首都大学一部リーグ戦
筑波大4-2武蔵大(延長10回)
(筑波大2勝)

 首都大学リーグ第2週1日目。今春、4季ぶりに一部へ復帰した武蔵大。開幕週は昨秋のリーグ王者・日体大に連敗した。今季3戦目となった筑波大1回戦も2点を先行される展開となったが、犠飛を放って追い上げムードを作ったのが種田太一(3年・川越東高)だ。

 川越東高では一番打者を務め、3年夏は埼玉大会で8強に進出している。

「川越東は自主性を重んじるチームなんですが、武蔵大も雰囲気が似ていると監督から勧められました」

 リーグ戦には1年秋に二部でデビュー。2年春にレギュラーポジションをつかむと打率.343をマークし、リードオフマンとして申し分のない数字を残した。

 昨秋はさらに成績を伸ばし、全9試合でヒットを放ち打率.528で首位打者を獲得。ベストナイン(指名打者)に選出され、入れ替え戦でも2試合通算で7打数3安打2打点3得点と活躍してチームの一部昇格に貢献した。

「昨秋は一打席一打席、集中力を高めて打席に入れたことが好調の要因だったと思います。そして、普段からスマホでフォームを細かくチェックしながらスイングをしてきて、気持ちよく練習する感じではなかったのですが『やってきたことは間違っていなかった』と思いました。二部とはいえ、首位打者を獲ることができて大きな自信になっています」

 秋季リーグ戦が終わってからは、気が付いたことをメモに残しておくようにしたという。

「リーグ戦の試合中に何か感じたことがあっても忘れてしまうことが多く、せっかく気づいたことなのにもったいないと思っていました。それで、試合中や練習中に気づいたことがあったらメモをするようにしたのですが、調子が良いときと悪いときでそれぞれ書いてあることに傾向が見られるようになってきました。それで、調子が良くないときは同じことを繰り返さないように心掛けています」

 指導にあたる山口亮監督も「バッティングは器用で足も速い。一部に慣れればおのずと結果も付いてくると思います」と評価している。

今春から二番で出場


 種田自身としては初めての一部でのプレーとなった日体大との開幕戦。二番・レフトで先発出場すると、初回の第1打席でいきなり左翼線へ先制のタイムリーツーベースを放った。

「あまり緊張するタイプではないので、ワクワクしていました。チャンスで回ってきたので、気合が入っていたのですが、良い仕事ができました」

 開幕の2試合では1本ずつヒットを放ったが、「一部に上がってピッチャーの真っすぐが速くなり、変化球のキレも良くなっているので」とこの1週間でフォームを修正してきた。

「速球に対応するため、シンプルにバットを出すことを意識しています。そこで、トップの位置を変え、これまでは右ヒジを伸ばして構えていたのを耳の横あたりにトップを置くようにしました」

 この日の筑波大1回戦では2点を追う3回裏、無死満塁の場面で打席に立つと、センターの後方へ犠牲フライを打ち上げた。

「2点を取られ、1点が欲しいところだったので『最低限でも犠牲フライ』と思って、高めのボールを狙っていました」

 その後、2対2の同点に追いついた武蔵大。だが、延長タイブレークの10回表に2点を勝ち越されると、そのまま押し切られ2対4で敗戦。今季初勝利は2回戦以降へ持ち越しとなった。

 チームは開幕3連敗となったが「切り替えて、やるべきことやり、1つずつ勝利を積み重ねていきたい」と前を向いた種田。そして、「この春から二番を任されていますが、ランナーを進める役割を果たしたい。自分が打てば勝ちにつながると思うので、一部でも首位打者争いをできるようになりたいです」と目標を語った。二部で実績を残した種田は一部でもリーグを代表するヒットメーカーを目指す。

文=大平明

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