週刊ベースボールONLINE

大学野球リポート

【大学野球】バットのヘッドをうまく使ったスイング 神宮デビュー戦で一発を放った東大・秋元諒

  0

好きな選手はキム・ハソン


東大・秋元は神宮デビュー戦でのホームランボールを手にポーズを取る[写真=矢野寿明]


【4月12日】東京六大学リーグ戦
早大4-1東大
(早大1勝)

 神宮デビュー戦で、結果を出した。三番・三塁で先発起用された秋元諒(2年・千葉・市川高)は神宮初打席となった第1打席でリーグ戦初安打となる三塁内野安打を記録すると、4回裏の第2打席では二死走者なしから、左翼席へ運ぶ同点ソロを放った。昨年、年間9勝を挙げ、早大の9年ぶりの春秋連覇に貢献し、2季連続でベストナインを受賞した伊藤樹(4年・仙台育英高)のスライダーをとらえる、価値ある一発だった。なお、東大は5回裏に勝ち越され、6回裏にも1点追加され、1対4で開幕戦を落とした。

「自分の打てる球は限られている。自分のスイングをしようと思った結果です。追い込まれていたので、どんな球でも対応していこう、と。インコースから曲がってきたスライダーを、うまく(体を)回って打てた。感触は良かったです。切れるかな? と思いましたが、思ったよりも切れなかったので良かったです。運が良かった。本塁打を狙っているわけではなく、ヒットの延長線です」(秋元)

 高校通算9本塁打(うち公式戦1本)。なぜ、スタンドインすることができたのか。

「始動前にバットが寝てしまうことがあるんです。そこを修正してきました」

 バットのヘッドをうまく使ったスイングが成果として出た。東大・大久保裕監督は言う。

「今、MLBでも多くの選手がやっているアッパースイングではなく、我々の時代にやってきた昭和のダウンスイングです。飛ばそうとは思わず、低いライナーを意識した結果が本塁打になったと思います」

4回表二死走者なしから、早大・伊藤樹のスライダーを左翼席へ運んだ。一時は1対1の同点となるソロだった[写真=矢野寿明]


 好きな選手はキム・ハソン(レイズ)。「野球は大学でやれるところまでやろう、と。勉強のほうも必死にやってきました」。千葉の私立進学校・市川高から現役で東大に入学した。大久保監督は「走攻守のバランスが取れている。昨秋からベンチ入りしており、長打を期待している打者ではありませんが、守れるし、走れる選手です」と目を細める。

「今年の目標は勝ち点(2勝先勝)です。チームの勝利に貢献できるようにしたい」

 秋元は初々しい表情で語った。この日、九番・遊撃で出場した同級生の樋口航介(2年・海城高)も2安打を放ち、守備でも良い動きを見せた。六番・左翼では荒井慶斗(2年・宇都宮高)が先発出場。開幕戦で2年生3人がリーグ戦初出場したのは、今後の財産である。

文=岡本朋祐

この記事はいかがでしたか?

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント 0

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング