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【大学野球】「いくつ3戦目にもつれ込むことができるか」 勝ち点奪取のための東大のプラン

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開幕3カードを終えて4連敗


東大の四番・大原は0対8の6回表、意地のタイムリーを右翼線に放った。一塁ベース上で笑顔を見せる[写真=矢野寿明]


【4月20日】東京六大学リーグ戦
明大9-4東大(明大2勝)

 東大の中心打者である酒井捷(4年・仙台二高)が明大1回戦後、興味深い話をしていた。

「昨年は春0勝で秋2勝(慶大、法大から各1勝)。今年の目標は、勝ち点。プランとしては秋のほうで取ることになる。春はいくつ勝てるか。いくつ3戦目にもつれ込むことができるか。場数を踏んでいかないといけない」

 開幕3カードを終えて4連敗。スコアを見る。

早大(1)1-4
早大(2)3-13
明大(1)0-2
明大(2)4-9

 1回戦はサブマリンエース・渡辺向輝(4年・海城高)が2試合連続完投と力投している。東大・大久保裕監督は「強い早稲田、明治打線に対して良い勝負ができる。チームに力がついてきた」と手応えを語る。一方で主戦投手が先発しない2回戦を、いかに粘り切るか。

「(明大2回戦では)早稲田戦よりは失点を一ケタに抑え、少しずつ良くなっている。打線は明治の速い投手を対策した成果が出ました。トップをつくってから、コンパクトにボールを上からたたくイメージです」

 明大2回戦では相手の12安打に迫る10安打を放った。ドラフト候補である先発の高須大雅(4年・静岡高)、救援の菱川一輝(4年・花巻東高)という本格派右腕と対峙しても、力負けすることはなかった。6回表に今季初打点となるタイムリーを放った四番・大原海輝(4年・県浦和高)は「秘密特訓」を明かしてくれた。

「速い投手に対してVR(バーチャルリアリティ)を見て、(球筋の)想定したイメージができているから、ファーストストライクからスイングできる。酒井の提案で、右投手はデグロムのVRを繰り返し見てきました。バットは持たず、畳の上でタイミングを取る。『俺らでも行ける!!』と。100球も見ていると、タイミングが合ってくるんです。初見の投手が相手でも、VRを見ておけば対応できる。1回戦は毛利投手(毛利海大、4年・福岡大大濠高)対策として、チャップマンのVRを見ましたが、それ以上のピッチングをされてしまいました(苦笑)」

6回表の適時打は、逆方向への見事なバットコントロールだった[写真=矢野寿明]


 大原は開幕から3試合で10打数無安打。3年春にベストナインを受賞した巧打者も不振が続いたが、心が乱れることはなかった。

「技術的には顔が突っ込み気味でしたので、そこを修正してきました。変えないほうが良いこともある。日々の生活、メンタル。過ぎたことは変わらない。(明大2回戦も)リーグ戦開幕、最初の打席というつもりで臨みあした。ヒットが出ない中でも、大久保(裕)監督が(1回戦の五番から)四番に据えていただいたので、打点を取りたいと思っていました。初回のチャンス(二死二塁)では三振でしたが、6回は結果が出て良かったです」

 東大は翌週の第3週は空き週。第4週では慶大と対戦する。2カードで得た手応えと課題を胸に、目標に向かって努力を続けていく。

文=岡本朋祐

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