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【大学野球】法大が開幕3連敗 指揮官は「一戦一戦を大事に、常に全力でいくしかない」

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『劇薬』を投じたが…


0対11の大敗。法大ナインは厳しい表情で引き揚げた[写真=矢野寿明]


【4月26日】東京六大学リーグ戦
早大11-0法大(早大1勝)

 法大が開幕3連敗である。

 開幕カードの立大1回戦は、1対1の9回裏にサヨナラ負けを喫した。二死満塁からの三ゴロ。法大の三塁手で主将・松下歩叶(4年・桐蔭学園高)が通常に処理していれば引き分け(連盟規定により9回打ち切り)だったが、打者走者の足が上回った。捕球から送球の際にやや余裕を持ったことで内野安打となり、痛恨の失点で、初戦を落としたのである。

 法大・大島公一監督は決断した。立大2回戦で四番という攻撃においても精神的支柱である主将・松下をベンチスタートにしたのである。指揮官は「コンディションもありますし、昨日の最後のプレーに対して、今後の松下の成長とチームへの影響を考慮し、先発から外しました。ただ、いい場面で起用したいと、最初から思っていました」と理由を明かし、チーム全体の奮起を促したが力及ばず、3対12で連敗し、勝ち点を落とした。

 早大1回戦でも、法大は攻守に精彩を欠き、0対11と敗退を喫した。2回に一挙6失点のビッグイニングで主導権を握られると、打線は散発2安打。早大の5人の投手に対して、手も足も出なかった。明らかな完敗である。

「前半2回の6失点が大きかった。投手力の高い早稲田さんで、追いかける展開だと厳しくなる。力負け、打ち損じが多かった。先発の伊藤君(伊藤樹、4年・仙台育英高)の対策はしていましたが、それ以上にボールの力が強かった。思うようなスイングをさせてくれない。(四番)松下の前にランナーがたまらない。立教戦に比べて、形にならなかった」

9回裏二死一、二塁で松下は空振り三振でゲームセット。主将にとって、試練の日々である[写真=矢野寿明]


 選手が卒業するのは、学生野球の常。今季の法大は昨秋のチームからメンバーから大きく入れ替わり、開幕カードから1年生2人が先発に名を連ねるなど「経験値」が不安材料だった。いくらオープン戦で実戦の場を踏んでも、リーグ戦の舞台・神宮は別ものである。法大・大島監督は「一戦一戦を大事に、常に全力でいくしかない」と打開策を語る。そして、試練を受け止めて、こう続けた。

「切り替えていくしかない。ピッチャーが変わるので、新鮮な気持ちでやりたい」

 開幕2戦目でチームの顔である主将をスタメンから外すという『劇薬』を投じた大島監督は、努めて前を向いた。熟考の末に下したこの采配が、今後のシーズンにどうつながっていくのか。立大戦で1プレーの厳しさを味わった一方で、次戦以降の1プレーで、大きく流れが変わることもある。法大がいま、できること。結果が欲しいのは十分に理解できるが、目の前の1球1球を大事にするしかない。

文=岡本朋祐

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