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【大学野球】新四番・寺尾拳聖に加え新戦力が台頭している早大打線

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2025年の打線の軸


早大は法大1回戦で快勝。試合後は活躍した3人がポーズを取った。左から寺尾、徳丸、主将・小澤周平[写真=矢野寿明]


【4月26日】東京六大学リーグ戦
早大11-0法大(早大1勝)

 リーグ3連覇を狙う早大。小宮山悟監督は新チーム結成当初から課題に挙げていたのは、打線の軸を固めることだった。昨年、9年ぶりの春秋連覇に貢献した三番の副将・吉納翼(楽天)と四番の主将・印出太一(三菱重工East)が卒業した後釜の育成である。

 春のシーズン展望を取材した2月末。小宮山監督は本格的な対外試合を前にして、寺尾拳聖(3年・佐久長聖高)を四番に起用することを明言した。2019年の就任以来7年、これと決断したオーダーはほとんど変えてこないのが小宮山監督のポリシー。2025年の打線の軸は、寺尾で行くと腹を決めたのである。

早大の四番・寺尾は2回表の先頭打者として中越え三塁打と、打者一巡の2打席目には左前2点適時打を放った[写真=矢野寿明]


 期待に応えた。開幕から3戦連続安打&打点。東大1回戦では1安打1打点、同2回戦では2安打2打点、法大1回戦では3安打3打点と、一戦ごとに数字を上げている(12打数6安打、6打点)。法大1回戦は三塁打、単打、二塁打と、本塁打が出ればサイクルの展開も「意識はしていなかったです」と淡々と振り返った。「力まずに、しっかり振り切れたので良かったです」。短い言葉の中に、自身の打撃へのこだわりを語った。

 勝負強かった旧四番・印出の後継者は「チャンスで回ってくることが多くなる。これからもしっかりやっていきたい」と自覚十分だ。

 新四番・寺尾に加え、新戦力も台頭した。1年生・徳丸快晴(大阪桐蔭高)が8回表無死二塁から、代打で左中間三塁打。神宮初打席が初打点。圧巻の神宮デビューにも、徳丸は落ち着いた口調で振り返った。

「追い込まれていたんですが、ファウルを含めて、良い当たりが出ていました。打ったのは高めの真っすぐです。最初の打席で初安打。良い打席の内容を続けていきたい」

早大の1年生・徳丸は神宮初打席[代打]で適時三塁打を記録した[写真=矢野寿明]


 対戦相手の法大には、開幕から3試合連続安打(12打数6安打)を記録した大阪桐蔭高時代の同級生・境亮陽がいた。また、同校出身の明大・吉田翔輝も東大2回戦で右翼守備に入り、リーグ戦初出場を遂げている。徳丸にもようやく出番がやってきたのである。「同じリーグに外野手3人がいるので、負けたくない」とライバル心を口にする。近い将来、徳丸も打線の中心としての期待感が高まる。早大は世代交代がうまく進んでいる。

文=岡本朋祐

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