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ドラ1で3球団競合も伸び悩み…村上、清宮に匹敵の「和製大砲」は目覚めるか

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周囲から見れば「もっとできる」


二軍で結果を残して一軍にはい上がりたい


 今年のロッテは、イースタン・リーグで21勝9敗2分けと大きく勝ち越して首位をキープしている。一軍昇格を目指して選手たちがプレーしている中、覚醒が待たれる和製大砲がいる。プロ8年目を迎えた安田尚憲だ。

 今年は開幕一軍入りしたが、2試合の途中出場のみで開幕3連戦を終えた後にファーム降格した。イースタンでは21試合出場し、打率.234、0本塁打、5打点。一軍昇格に向けてアピールが必要だ。

 周囲から見れば、「もっとできる」という思いが強いだろう。身長188センチ、体重100キロの恵まれた体格から振り抜かれたライナー性の打球は大きなロマンを抱かせる。履正社高では高校通算65本塁打をマーク。早実のスラッガー・清宮幸太郎(日本ハム)と比較されることが多く、「東の清宮、西の安田」と称されていた。

 8年前のドラフトでは清宮に高校生最多タイの7球団が1位指名で競合する中、安田にも「外れ1位」でソフトバンク、ロッテ、阪神の3球団が競合。同じく「外れ1位」で令和初の三冠王に輝いた村上宗隆(ヤクルト)もヤクルト、巨人楽天から指名された。プロ入り後は村上が本塁打王を3度、打点王を2度、首位打者を1度獲得するなど球界を代表する長距離砲としての地位を確立。伸び悩んでいた清宮も素質開花の時を迎えている。昨年は故障で89試合出場にとどまったが、打率.300、15本塁打、51打点をマーク。6年ぶりのCS進出に貢献した。今年も開幕からスタメンで試合に出続けている。

「競争があるのは毎年」


 村上、清宮と対照的に、殻を破り切れないのが安田だ。2020年から4年連続100試合以上出場したが、2ケタ本塁打に届いたシーズンがない。打撃フォームで試行錯誤し、目指す方向性に悩んでいるよう見も見えた。昨年は「内野シャッフル」という名の大コンバートで、三塁は中村奨吾、一塁ではネフタリ・ソトと定位置争いに。三塁、一塁を守れるドラフト1位の上田希由翔が入団したことで競争が激化した。安田は週刊ベースボールのインタビューでこう語っていた。

「(大コンバートは)あるんじゃないかなとは思っていました。奨吾(中村奨吾)さんが三塁に来ると聞いて、僕は僕なりにこれまで三塁を守ってきたこだわりがあるのでその競争に勝ちたいなという気持ちもありつつ、一塁も守れるというオプションがあるのは自分にとってもプラスになるのではないかという気持ちもあります。今は、三塁でも一塁でも、必要に応じて両方こなせるようにという意識で練習しています」

「競争があるのは毎年のことです。一塁にはソト選手が移籍してきたし、晴哉(井上晴哉)さんもいます。三塁は奨吾さんだけでなく、上田(上田希由翔)もいます。競争相手がいるのは今年だけの特別なことではなく、プロ野球選手である限りは来年以降もずっと続いていくのだと思います。まず自分ができることをしっかりとやっていき、その中で自分のポジションをしっかりとつかめたらいいですね」

昨年も結果を残せず


 強い決意で臨んだが、開幕直後に腰痛を発症して戦線離脱。4週間後に一軍昇格したが、打撃の状態が上がらず一軍と二軍を行き来した。CSファーストステージで本塁打を放ったが、シーズンは55試合出場で打率.228、0本塁打、15打点。ノーアーチに終わり、「清宮だけじゃないですけど、同世代の選手が頑張っている姿、活躍している姿を見るのは、自分がこういうシーズンだったこともあり、悔しいっていう気持ちがあります」と胸の内を明かしていた。

 ロッテの三塁は盤石とはいえない。今季の成績を見ると、中村奨吾が19試合出場で打率.190、1本塁打、3打点。上田希由翔は13試合出場で打率.114、0本塁打、1打点と結果を残せず、4月24日に登録抹消となった。安田はファームで高水準の成績を残せば、一軍昇格の可能性が十分にある。このままでは終われない。

写真=BBM

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