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【大学野球】「徐々に上げていけ」 先輩・宗山塁からの連絡できっかけをつかんだ明大四番・内海優太

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1年春以来の本塁打


明大の四番・内海は9回表に決勝本塁打を放ち、控え部員が応援する三塁応援席、ベンチに向けてポーズを取った[写真=田中慎一郎]


【5月10日】東京六大学リーグ戦
明大2-1立大(明大1勝)

 今春から明大の四番を任されている内海優太(3年・広陵高)は185センチ86キロを誇る左のスラッガーである。高校日本代表でプレーした3年時(2022年)は、大学日本代表との壮行試合(ZOZOマリン)で本塁打。視察していた侍ジャパントップチームの栗山英樹監督(当時)が「すごいよね。参りましたという感じ。こういうところでアピールできるのは大事。彼の本塁打は、俺も忘れない」と惚れ込んでいたのが印象的である。

 プロ志望届提出せずに、明大進学。1年春から出場し、慶大2回戦で代打での初安打は初本塁打(2ラン)と鮮烈デビューを飾った。ところが、1年秋を前にして左膝前十字じん帯を損傷し同秋、2年春と2シーズンを棒に振った。「野球をやっていたら考えなかったこと、打撃の細かい部分、体づくりを学ぶ機会になりました。良い時間でした」。2年秋のシーズン中盤に復帰し、代打で3打席に立った(3打数1安打)。

 上級生となり、主軸を任された。今春から母校を指揮する戸塚俊美監督は、オープン戦から内海を不動の四番として起用。開幕以降も絶対に動かさなかった。2カードを消化し5試合で24打数4安打0打点。打率.167は“身長の数字”にも満たず「苦しかったです」。

 一つのきっかけがあった。広陵高、明大を通じての先輩・宗山塁(楽天)から連絡が入った。「徐々に上げていけ」。第4週は空き週で気持ちを入れ替え、第5週の立大戦を迎えた。

1年春以来となる通算2号。内海の豪快なスイングは魅力的である[写真=田中慎一郎]


 1対1の9回表。この日はプロ併用日であり、連盟規定により9回打ち切り。この明大の攻撃で、先頭の内海は右越え決勝ソロを放った。立大の先発・小畠一心(4年・智弁学園高)の甘く入ったストレートを見逃さなかった。内海の1年春以来の通算2号で勝ち越した明大は、2対1で逃げ切り先勝した。

 この日は打線の中心である三番・小島大河(4年・東海大相模高)が故障でベンチ外。上位打線を大きく入れ替えて臨んだが、四番・内海はだけは固定だった。「自分がやってやるという気持ちでした。チームの勝利につながったのは自信になった。良いイメージを持って、チームの勝利につながるような打撃をしていきたい」。戸塚監督は「何となく雰囲気があった。良いところで出て良かった」と称えた。

 内海はこの日を終えて、打率.185。ようやく“身長の数字”に達した。2023年春以来のV奪還へ、新四番のバットが命運を握る。

文=岡本朋祐

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