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【大学野球】立大が先勝されて迎えた明大2回戦で雪辱 打線が13安打13得点と圧倒

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「体づくりから取り組んできた成果が出ている」


立大・鈴木は4回表に貴重な追加点となる満塁弾を放った。三塁応援席に陣取る控え部員に、歓喜と感謝のポーズ。1回戦に続く2戦連続本塁打となった[写真=田中慎一郎]


【5月11日】東京六大学リーグ戦
立大13-6明大(1勝1敗)

 立大がV戦線に踏みとどまった。先勝されて迎えた2回戦で雪辱し、対戦成績を1勝1敗のタイとした。打線が13安打13得点と圧倒。投げては先発の左腕・田中優飛(2年・仙台育英高)が6回途中4失点と試合を作り、救援した3投手がつないで逃げ切った。

 4回表。立大は3点を追加し、なおも一死満塁から三番・鈴木唯斗(4年・東邦高)がグランドスラム。試合の主導権を握る満塁弾を放った左打者は、前日の2回戦でも一時、同点とするソロアーチを記録していた。

「打席に入る前に木村(泰雄)監督から『サインはないから。打っていいから』と。(早大3回戦で延長12回裏にサヨナラ本塁打を放った)丸山(一喜、3年・大阪桐蔭高)も同じケースがあったんですが『思い切っていくんだ』という思いでした。打ったのはスライダー。変化球も待ちながら、長打よりは、きれいにヒットを打とうというイメージでした。結果的にホームランになって良かったです」

 立大は今季、3試合目の2ケタ得点である。就任2年目の木村監督は好調の要因を語る。

「昨年は得点力不足で、投手陣に負担をかける展開が多かった。打線を強化していこうと体づくりから取り組んできた成果が出ている」

 選手サイドの声はこうだ。鈴木は言う。

「長いキャンプ期間で、打って、打ってきました。リーグ戦開幕から結果が出て、試合を重ねるごとに自信がついていきました」

 グラウンド改修工事のため、2月上旬から約1カ月半、活動拠点の新座から離れ、鹿児島と宮崎でみっちり練習を積んできた。食生活も改め全選手、体の芯がしっかりしている。

 立大は2017年春、13度目のリーグ優勝を遂げたのが最後。4年生・鈴木はこう明かす。

「2年生から試合に出させていただいていますが、毎回、2週目で優勝が消える(苦笑)。この春は『落とせない試合』が続いており、緊張感もありますが、楽しさのほうが上回っている。3回戦も楽しんでやっていきたい」

先発・田中は6回途中4失点と試合を作り、今季2勝目を挙げた。2回表には先制2点適時打を放っている[写真=田中慎一郎]


 心身とも充実。1勝1敗で迎える3回戦の勝ち点勝負は、リーグ戦の醍醐味だ。勝つか、負けるかで雲泥の差。立大にとって明大3回戦は優勝争いをする上で、最大の正念場である。昨年は春、秋を通じて8回の機会があった3回戦以降の戦いを7回、落としていた。今春は慶大3回戦こそ落としたが、早大3回戦における死闘(延長12回、11対10)を制した。神宮での激戦を通じて、立大のチーム力は明らかに上がっている。木村監督は言う。

「3戦目に勝つことをテーマにしてきました。明日も全員で戦い、勝ち点を取りたい」

 総動員。登録25選手、スタンドの控え部員を含めた、オール立教で勝利をつかみにいく。

文=岡本朋祐

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