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【大学野球】明大が6試合目にして今季初黒星 立大に屈した3つの敗因

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あまりにも手痛い大量失点


明大は今季初の黒星を喫した。先発・高須は4回途中8失点。押し出し四球を与えたところで降板した[写真]。課題を見つめ直して、3回戦へと向かう[写真=田中慎一郎]


【5月11日】東京六大学リーグ戦
立大13-6明大(1勝1敗)

 開幕5連勝(1引き分けを挟む)だった明大が、6試合目にして初黒星を喫した。

 3つの敗因があった。

 明大の先発・高須大雅(4年・静岡高)は2回表二死二、三塁から立大の先発投手・田中優飛(2年・仙台育英高)に中越え二塁打を浴び、2点の先制を許した。

 153キロ右腕・高須は昨秋途中に右肘の違和感により、戦線離脱。学生ラストイヤーに合わせ、焦らず調整を重ね、今春のリーグ戦が復帰マウンドだった。この日の最速は149キロまで戻っていた。戸塚俊美監督は言う。

「リーグ戦に入ってから、ストレートの威力が上がってきた。(先制を許した立大・田中への)あの1球は、高くいった。きっちり抑えていれば、いけたのかな、と」

 高須は4回表にも集中打を浴び、制球も乱した。押し出し四球で、このイニング3失点目をしたところで、マウンドを降りた。二番手は今春、神宮デビューし3試合目の救援となる右サイド・前田悠槙(3年・玉名高)だった。戸塚監督は信頼を寄せて送り込んだものの、代わったばかりの初球のスライダーを、鈴木唯斗(4年・東邦高)に痛恨のグランドスラムを打たれた。1対9というビハインド。あまりにも手痛い大量失点だった。

「(二番手の前田には)ちょっと重かったかもしれない」(戸塚監督)

 それでも、明大はあきらめない。6回裏に3点を返して5点差とし、反撃態勢をつくる。ところが、7回表一死一塁からの投前バントを明大の四番手・三浦心空(3年・東邦高)が二塁悪送球。ベースカバーした遊撃手のグラブに触れたため、カバーした中堅手が不規則となったボールに追いつけず後逸。そのまま一塁走者が生還。さらに犠飛で1点加点され、味方の反撃ムードに水を差す形となった。

「投内連係の『3-1』のプレー、送りバントの処理も、練習ではかなりやってきましたが、ここで出てしまうということは練習不足、ということです」(戸塚監督)

 1勝1敗。勝ち点をかけた立大3回戦は大一番である。明大は開幕から2カード連続で勝ち点2を奪取しているが、第6週に組まれる次戦の早大を前に、ここで落とすわけにはいかない。戸塚監督は決意を語った。

「いやもう、勝つしかないので……。もう1回、打線も整えてやっていきたい。上を向いて、元気を出していきたい」

 この一戦で、すべての膿を出し切ったとも言える。3回戦の先発は今春、4試合の登板で3勝を挙げている左腕・毛利海大(4年・福岡大大濠高)が予想される。今季、防御率1.00と安定感抜群であり、主戦投手の出来がカギ。打線は三番・小島大河(4年・東海大相模高)が立大戦2試合をケガでベンチ外と、厳しい状況が続く。小島の欠場を受け、田上夏衣(2年・広陵高)が二番から一番、榊原七斗(3年・報徳学園高)は一番から三番に打順変更。立大2回戦は2人で計9打数1安打と、当たりが出なかった。ここまで打線をけん引してきた2人の奮起が、ポイントとなってくる。

文=岡本朋祐

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