リーグ戦9打席目で初安打初打点

東大・工藤は4年春にしてリーグ戦初安打初打点。次戦につながる一打となった[写真=田中慎一郎]
【5月11日】東京六大学リーグ戦
法大12-2東大(法大2勝)
東大は開幕8連敗。1998年春から55季連続最下位が決まった。10点差で敗退する厳しい試合展開の中にも、一筋の光明があった。
0対8で迎えた4回表一死一、三塁から代打・工藤雄大(4年・市川高)が左前適時打。リーグ戦9打席目で初安打初打点となった。
「なかなか結果が出せない中でも、監督が信頼をしてくださり、ここぞの場面で使ってくれた。信頼に応えようと、狙い球ではありませんでしたが、気合でレフト前は運びました。(今季も代打で4打数無安打で)この先、ヒットが出ないのではないかと不安になることもありましたが、1打点を刻めたことは、こらからの自信になります」
開幕前に右膝を強打し、じん帯を痛めた。早大との開幕カードには間に合わなかったが、明大との2カード目で復帰。大久保裕監督は代打要員として期待をかけていたが、今季5打席目でようやく結果を出すことができた。この日は母の日。故障中は心身のケアをしてもらい、感謝の思いを忘れたことはない。
苦難を乗り越えることができたのも、市川高時代の経験が大きいという。
「トレーニングがひたすら長いんです。冬場はボールも握らせてもらえずに、4時間……。その厳しさが、今に生きています」
工藤の本職は一塁手で、外野も守ることができる。残り1カードは先発出場を目指す。

東大は1カードを残して、55季連続最下位が決まった[写真=田中慎一郎]
大久保監督は第7週での巻き返しを誓う。
「守りでもミスが出ました。(第6週で)1週空くので、次に向けて練習し、立教戦で良い結果が出るように頑張りたい」
55季連続最下位については、こう言及した。
「順位にこだわりはない。目標の勝ち点獲得に向かって取り組んでいく。今日のような試合をものにしていかないと、勝ち点どころではない」。やや厳しい口調で語った。
東大は春のシーズンを締めくくる立大との対抗戦に向けて、万全の準備をする。
文=岡本朋祐