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西武時代とは別人 巨人打線を牽引する「スピードスター」は

 

チャンスメーカーとして躍動


開幕からグラウンドで躍動している若林


 阪神広島を追いかける巨人が踏ん張りどころを迎えている。5月17日の中日戦(東京ドーム)でフォスター・グリフィンが相手右腕・高橋宏斗との息詰まる投手戦を制し、1対0で逃げ切った。4連敗で勝率5割から2連勝で再び上昇気流に乗ろうとしている。

 丸佳浩が「右大腿二頭筋筋損傷」で開幕から不在で、坂本勇人も打撃不振によりファーム調整に。岡本和真も左肘靭帯の損傷で離脱した。主力が次々に抜けてベストメンバーが組めない戦いが続く中、この選手の貢献度が非常に高い。チャンスメーカーとして躍動する若林楽人だ。

「一番・左翼」で先発起用された3月28日の開幕・ヤクルト戦(東京ドーム)で延長10回二死二塁から、清水昇の直球を三遊間にはじき返すサヨナラ打。6打数4安打2打点の大活躍で、最大5点差をひっくり返す逆転勝利の立役者となった。その後も効果的な一打が目立つ。5月10日のヤクルト戦(神宮)では、初回一死でピーター・ランバートのカットボールを左中間スタンドに運ぶ3号ソロ。1点差を追いかける4回も先頭打者で三塁内野安打を放ち、同点の本塁生還を果たした。

 今季36試合出場で打率.292、3本塁打、12打点、5盗塁をマーク。阿部慎之助監督は働きぶりを高く評価している。8日に行われた「マイナビオールスターゲーム2025」の発表会見で、セ・リーグの監督を務める指揮官は巨人の注目選手を問われ、「今このまま突っ走ってほしいのは若林とか。経験したことがない舞台に立って、それをきっかけにレギュラーを獲ってほしいなという希望はあります」と名指しで期待を込めた。

昨年6月に西武から移籍


 若林が西武からトレード移籍したのは昨年6月。新人の21年に44試合出場で20盗塁と衝撃的な活躍を見せたが、5月下旬に左膝前十字靭帯損傷で離脱。その後も故障の影響で思い描いたプレーができない。野球評論家で西武の監督を務めた辻発彦氏は若林について、昨年7月に週刊ベースボールのコラムで以下のように語っていた。

「若林選手は私が監督を務めていた21年、駒大からドラフト4位で入団した選手でした。球界でもトップクラスの脚力を持ち、その年一番に抜てきすると44試合で20盗塁と期待どおりの活躍をしてくれました。しかし5月下旬、外野守備時に左膝前十字靭帯損傷の大ケガを負って長期離脱となりましたが、もし、ケガをせずに1年間プレーし続けても同様のペースで盗塁を重ねていけたか分かりませんが、潜在能力を秘めた魅力的な選手であったことは間違いありませんでした」

西武時代の若林


「しかし、今季は特にバッティングで大振りが目立っていました。出塁を目的とするのではなく、とにかく力強い打球を飛ばそうとするスタイルで、バットに当たれば鋭い打球となりますが、その確率が低い。移籍前までは3本塁打を放ちましたが、62打数8安打、打率.129と数字が上がりませんでした。やはり、若林選手に“足”があるのですから、それを生かしてもらいたい。そのためにはまずは塁に出ることです。打席で粘ってボールを見極めて四球をもぎ取る、追い込まれたら右打ちを意識するなど出塁する姿勢が求められていると思います。プロ野球選手は試合に出なければ意味がありません。プロで生き残るために、どうやって自分をつくり上げていくかが大切になるのです。若林選手には巨人で何を求められているのか、あらためて考えてもらいたいです。私もプロに入って広岡達朗監督にヒントをもらってバットを短く持つようになりました。長打を狙わずに、とにかく出塁することに特化し、変化を恐れずに挑戦していきました」

 辻氏の指摘を若林も自覚していただろう。巨人に移籍後は思い切りのよい打撃を発揮すると同時に、カウントや状況に応じてコンパクトなスイングでヒットゾーンに飛ばす安打が目立つ。ボール球に手を出さなくなったことも、3割近い打率をキープしている要因だろう。ダイヤモンドを疾走する姿から今後も目が離せない。

写真=BBM
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