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巨人OBが「三流フォーク」と厳しいゲキ…復活期待の「エース右腕」は

 

背水の陣のマウンド


今季7度目の登板で初勝利を飾った戸郷


 ようやく、エースに白星がついた。巨人戸郷翔征が今季7度目の登板となった5月25日のヤクルト戦(東京ドーム)で6回7安打2失点の粘投。2年連続の開幕投手を務めたが打ち込まれる試合が続き、ファーム降格を味わった時期もあっただけに苦しかっただろう。昨年9月19日のDeNA戦(東京ドーム)以来248日ぶりとなる今季初白星に、試合後は穏やかな表情を浮かべていた。

 今季初の中4日で先発登板。文字どおり、背水の陣だった。初回に先頭打者の岩田幸宏に右前打を許して二死三塁のピンチを迎えたが、四番のホセ・オスナをフォークで空振り三振。3回に3連打で2失点を喫し、1点差に迫られたがその後は踏ん張った。球の質を見るとまだまだ本来の状態とは言えないが、待望の白星がついたことに大きな意味がある。

 22年から3年連続12勝をマークし、22、24年は最多奪三振のタイトルを獲得。昨年は5月24日の阪神戦(甲子園)でノーヒットノーランを達成。勝負どころの8、9月で計5勝をマークした。特に9月は3勝1敗、防御率0.32と抜群の安定感で4年ぶりのリーグ優勝に貢献。昨年最多勝に輝いた菅野智之が海外FA権を行使し、オリオールズに移籍したことで大黒柱の戸郷に掛かる期待はさらに大きくなる。だが、責任感の強さが焦りにつながったのかもしれない。

 直球が走らず、フォークが見切られる。カウントを苦しくして甘くなった球を痛打される登板が続いた。4月11日の広島戦(マツダ広島)は4回途中10安打10失点KO。ファーム再調整となり、約3週間の期間を経て1軍に戻ってきたが、長いイニングを投げられずに降板するマウンドが続いた。

叱咤激励のメッセージ


 巨人OBで野球評論家の堀内恒夫氏は週刊ベースボールのコラムで、戸郷に叱咤激励のメッセージを送っていた。

「今季の巨人の投手陣には大きな誤算が生じた。その代表例は2年連続開幕投手に指名された戸郷翔征が3試合連続KOを食らい、二軍落ちしたこと。ドジャースとのオープン戦から悪い兆候は見えていたが、開幕までに回復のきっかけをまったくつかむことができなかった。阿部慎之助監督は『示しがつかない』ことを降格理由にしたが、そんなレベルの話ではない。戸郷は上体だけで投げているから制球が定まらない。下半身を使い、上体がぶれないように投げれば、フォークボールのキレもよみがえってくるだろう」

「戸郷は元来コントロールの良い投手ではない。しかし、いまの投げ方では、フォークをいくら投げてもストライクは取れない。そのことを打者は見抜いているから、まったく反応を示さずに見送ってしまう。フォークが通用しなくなると、今度は真っすぐで勝負しようとするから、『待ってました!』とばかりに打ち込まれてしまうのだ。いまの戸郷にはフォークを切り札にする投手が陥りやすい最も悪い部分が露出している。いまのフォークでは『三流フォーク』と酷評されても仕方ないだろう。とにかく、まずは体のキレを取り戻すことだ。ジャイアンツ球場で邪念を吹き払うように走りまくることである。それから『腕を振れ!』と、言いたい」

苦しんだ経験を糧に


今季初勝利の喜びをファンと分かち合った


「7度目の正直」となった登板で、戸郷の表情は吹っ切れていたように感じた。5回一死二塁のピンチでドミンゴ・サンタナを148キロ直球で右飛に。オスナにも4球すべて直球で二ゴロに仕留めた。ウイニングショットのフォーク、スライダーが生きるのは、球威十分の直球があってこそ。球種が多いとは言えない投球スタイルのため、速い球をストライクゾーンに投げ込めるかがポイントになる。

 エースが白星をつかみ、チームも5連勝で貯金は最多タイの5に。四番の岡本和真が左肘靭帯損傷で離脱し、チームの精神的支柱の坂本勇人丸佳浩も欠いている。盤石の布陣でないときこそ、チームの真価が問われる。苦しんだ経験を糧に、戸郷はエースの輝きを取り戻せるか。

写真=BBM
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