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WBCに初出場の可能性が 直球に強く国際試合向き「巨人の巧打者」は

 

鋭いスイングで広角にはじき返す


直球を力強く打ち返す打撃が魅力の吉川


 岡本和真という大黒柱を故障で欠き、精神的支柱の坂本勇人もファームで調整している中、巨人を攻守で引っ張っているのが吉川尚輝だ。

 5月30日の中日戦(バンテリン)では、1点差を追いかける6回に先頭打者で大野雄大から右前打を放って出塁。トレイ・キャベッジの左越え適時二塁打で同点のホームを踏み、逆転劇につなげた。7回も二死二塁の好機に7球粘って四球で出塁。泉口友汰の左翼線適時二塁打で、一塁から4点目の本塁生還で試合を決めた。

 親交が深い岡本和が離脱し、主力として背負っている重圧は大きい。5月16日の中日戦(東京ドーム)では、同点の8回にセットアッパーの大勢上林誠知に勝ち越しアーチを被弾。重苦しい雰囲気が立ち込めたが、直後の二死一、二塁で左腕・齋藤綱記の内角に入ったスライダーを右翼ポール際に運ぶ逆転3ランを放った。見逃せばボール球だったが執念の逆転3ランに、ガッツポーズが出た。試合後のお立ち台では、「思い切っていくだけだと思っていましたし、はい。もうホントに……」と感極まり、声を詰まらせた。

 吉川の魅力は直球に強いことだろう。球速が150キロを超える投手が各球団にそろい、「投高打低」の傾向が顕著になっている中、鋭いスイングで広角にはじき返す。24日のヤクルト戦(東京ドーム)では、3回一塁で吉村貢司郎の内角の直球を振り抜き、右翼スタンド中段に先制ソロ。速い球に対する対応力の高さを証明した。

チームを救う二塁守備


二塁守備は抜群の安定感を誇る


 二塁の守備でも何度もチームを救っている。守備範囲が広く、球際に強い。昨年は自身初のゴールデン・グラブ賞を受賞したが、今年も抜群の安定感で投手を支える。4月20日のヤクルト戦(東京ドーム)では、2回にピーター・ランバートの中前に抜けるかと思われた打球をスライディングキャッチ。すぐに反転して一塁にノーバウンド送球してアウトにした。

 吉川は「やっぱり守備範囲というのは僕の一番の強みですし、こだわっている部分です。そのために、いろいろなデータを頭に入れながらも、自分の直感や事前のイメージを大切にして、最初の一歩目を踏み出していく。イメージしていたからこそ、ギリギリで打球に追いつくことができた、ということもありますし、そうした打球でも、グラブへの信頼感があるから、何も考えることなくしっかり捕球することができる。そういった部分は、間違いなくあると思います」と週刊ベースボールの取材で語っている。

 2年連続ゴールデン・グラブ賞についても自然体を貫く。

「まあ自然に、最終的に獲ることができたらうれしいですね。ただ、シーズン中はそんなことを考えずに、まずは試合でピッチャーが打ち取った打球をしっかりアウトにすること、時にはピッチャーを助けるようなプレーができること。そういう思いで最後までやっていきたいと思います」

昨年は代表を辞退


 来年に開催予定のWBCで、侍ジャパンに選出される可能性も十分にある。昨年11月のプレミア12では代表メンバーに選出されたが、左脇腹痛が完治しなかったため出場を辞退。二塁は小園海斗(広島)が守った。

 スポーツ紙記者は「国際試合はいかに失点を防ぐかという観点で、守備力が重要な要素になってきます。吉川の二塁守備は球界トップクラスであることに加え、直球に強い打撃スタイルは国際試合向きです。井端弘和監督は巨人のコーチ時代から吉川の成長してきた姿を見てきましたし、コンディションが万全なら正二塁手の有力候補になるでしょう」と分析する。

 もちろん、今は巨人のリーグ連覇に向けて1試合1試合を全力で戦うことしか考えていないだろう。昨年は打率.287、5本塁打、46打点、12盗塁の好成績で4年ぶりのリーグ制覇に貢献したが、左脇腹痛の影響でCSファイナルステージ・DeNA戦に出場できず、日本シリーズ進出を逃した。今年はCSも勝ち抜き、日本シリーズの舞台で真の王者へ。チームリーダーがダイヤモンドを疾走する。

写真=BBM
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