快足も武器の4年生

城西大は一部残留に王手。武井がチームをけん引している[写真=大平明]
【6月1日】首都大学一部二部入れ替え戦
城西大4-2桜美林大(城西大1勝)
首都大学リーグ入れ替え戦1日目。一部6位の城西大と二部優勝の桜美林大による入れ替え戦の1回戦が行われた。前日の降雨により一日順延となり、仕切り直しとなった一戦を制したのは城西大だった。
5回裏、新田優樹(4年・八王子高)の2点適時打で逆転した城西大。さらに、1点リードの7回裏に二死三塁から適時打を放ったのが武井大智(4年・
西武台高)だ。二番・センターで先発出場した武井。「5回表の守備でショートとの間に上がった飛球をうまくコミュニケーションがとれなくてミスしてしまい、先制点を与えるきっかけになってしまいました。でも、チームメートがつないでチャンスをつくってくれたので、この打席では『やってやろう』と思っていました」。
高めの真っすぐを振り抜いた打球はセンター左へのクリーンヒット。貴重な追加点を奪うと、すかさず二塁へ盗塁成功。キャッチャーの送球が外野へ抜ける間に三塁を陥れると、次打者の内野ゴロが相手のミスを誘う間に生還し、点差を3点に広げた。
「小さい頃から足は自分の長所なので野球に生かしています。足でかき回すのが売りで、今季は盗塁を4つ決めることができました」
守っては先発の鈴木耀斗(1年・昌平高)からエースの長琉之介(4年・下関国際高)へつなぎ、最後は星野翔太(2年・八王子高)が1点を失うもピンチをしのいで競り勝ち。4対2で桜美林大を下し、大事な初戦を制した。
武井は西武台高の出身で1年夏からベンチ入り。1年秋からセンターのレギュラーとなり、関東大会で8強入り。城西大に進学した。
「甲子園に出ることができずに悔しかったので、大学で頑張ろうと考えていました。城西大は実家から近く、練習環境も良かったので野球に集中できると思っていました」
しかし、なかなか出場機会はめぐってこなかった。
「下級生の頃はレギュラーの方々との体格差を痛感していたので、ウエイト・トレーニングをしていました。そのおかげで飛距離は伸びたと思います」
3年になると大事な場面で代走や守備固めとして起用されるようになった。
「ベンチで『こういう場面はこういうプレーをしなければならないんだ』と思いながらリーグ戦を見ていたので、その経験が今につながっています」
「一番進歩した選手」
この冬のオフシーズンはバッティングをメインに練習を積み重ねてきた。
「ひっかけてしまう悪いクセがあったので、常に逆方向を意識してきました。ポイントを近めにして、詰まってもレフトの前に落ちればOKという感覚になりました」
この「詰まってもいい」という意識は村上文敏監督に叩き込まれたという。その指揮官は「やっと詰まることを恐れないようになりました。そして、これまではサインが出なければ動けなかったのですが、野球を覚えてきていて、今季、チームのなかでは一番進歩した選手だと思います」と話している。
今季は開幕戦から外野手のポジションを確保し、レギュラーとして全試合に出場。バッティングについても「第2週の東海大1回戦で1打席目に
米田天翼投手(3年・市和歌山高)からショートの頭へヒットを放ったのですが、すごく感じが良かったんです」と開眼。
第4週の日体大2回戦でも伊藤大稀(4年・智弁和歌山高)から初球のスライダーをレフト前へはじき返し、リーグを代表する好投手を打って好調の波に乗った。
第7週の帝京大1回戦では3安打の猛打賞を記録するなど、シーズン通算では打率.318(44打数14安打)をマーク。目標にしていたベストナインを獲得した。
残留まであと1勝に迫り「明日も勝って、秋も一部でプレーしたいです」と話した武井。なんとしても一部の座を死守するつもりだ。
文=大平明