伝統の結束力で挑む

慶大は早大に連敗。勝ち点2の5位でシーズンを終えた[写真=矢野寿明]
【6月1日】東京六大学春季リーグ戦
早大6-5慶大(早大2勝)
慶大が昨秋に続き、5位で全日程を終えた。
5勝7敗2分、勝ち点2。
開幕カードの立大戦を2勝1敗で勝ち点を奪取したが、第3週の明大戦を1分2敗で落とす。第4週の東大戦で連勝したものの、第6週の法大戦では1勝1分から3、4回戦を落とした。第8週の早慶戦。1勝すれば、早大のリーグ3連覇を阻止(明大が優勝)することができたが、2連敗に終わっている。
1回戦は2対11。あとがない2回戦は、意地を見せた。4点ビハインドを追いつく粘り。執念を見た。8回裏に守備のミスで6対5と勝ち越されるが、あきらめなかった。9回表二死一、三塁と攻め立て、早大のエース・
伊藤樹(4年・仙台育英高)を引きずり出した。先頭打者が死球。二死満塁と見せ場を作るが、後続が倒れ、あと一歩、及ばなかった。
慶大サイドの三塁側、左翼スタンドの応援席は、最後の1球まで、大声援を送り続けた。優勝の可能性は消滅していても、早慶戦は別物である。慶大は早大とのカードで勝ち点を奪取するため、全力を注いだ。応援席の思いも、同じだった。連盟結成100周年。それが、「対抗戦」である東京六大学の醍醐味なのだ。
2万9000人の大観衆。早大・伊藤樹は伝統の結束力で挑んでくる慶大の「圧」が、相当なプレッシャーだったと試合後に明かした。
「慶應は勢いがある。一体感のある良いチームです」
警戒感を示した。早大・
小宮山悟監督も「早慶戦は、難しい試合になる」と語る。昨秋は1勝すれば春秋連覇という条件の早慶戦で、2連敗を喫した。勝負の厳しさ、慶大の底力をまざまざと見せつけられた。今春は早大が連勝したが、秋は未知数である。試合終了後のエール交換で、神宮に響き渡った塾歌。慶大ナインの耳に届いたのは間違いない。学習能力のある集団である。このままで終わるはずはない。覚悟を持って夏を過ごし、一回り成長した姿で、秋の神宮に戻ってくるはずだ。
文=岡本朋祐