二軍で防御率1.06

今年で2年目を迎えた右腕・西舘
巨人で気になる2人の投手がマウンドに立った。6月1日のイースタン・リーグの
DeNA戦(バッティングパレス相石スタジアムひらつか)。日米通算200勝に残り2勝に迫っている
田中将大が先発登板すると、
大城卓三とバッテリーを組んで3回1安打無失点に抑えた。そして、プロ2年目のドラフト1位右腕・
西舘勇陽が4回から二番手で登板。4回1安打7奪三振無失点の快投で3勝目をマークした。
球威十分の直球で押し込んだ。4回から6回まで無安打投球。7回は先頭打者・
勝又温史に内野安打で出塁を許した後に2四球を与えて二死満塁のピンチを背負ったが、
加藤響を直球で中飛に仕留めた。走者を背負っての送球に課題を残したが、三振の山を築いた投球は評価できる。今季はイースタンで8試合登板し、3勝0敗、防御率1.06の好成績を残している。
オフにウインター・リーグへ
本来は一軍の戦力としてバリバリ稼働してほしい右腕だ。ドラフト1位で
日本ハムと競合し、中大の先輩である
阿部慎之助監督が当たりくじを引き当てた。昨年はセ・リーグの新人最多記録となる開幕から10試合連続ホールドをマーク。5月も8試合登板で無失点とセットアッパーとして好投を続けたが、6月以降は息切れ。痛打を浴びる登板が続くと、先発に配置転換されたが結果を残せなかった。28試合登板で1勝3敗20ホールド1セーブ、防御率3.82。収穫と課題が浮き彫りになり、オフはプエルトリコで開催されたウインター・リーグに参加。異国の地で1カ月半以上の武者修行で野球に取り組む意識が変わった。現状から進化するため、新たなルーティンを取り入れた。
「昨年末にプエルトリコのウインター・リーグでプレーさせていただいた期間から、試合中にもメモを取るようにしました。自分の思っていることや気づいたことを書いています。一度、自分で手を動かして書いておけば、マウンドでもう一度その状況になったときに思い出しやすい気がして。そういうアウトプットの目的が大きいですかね。自分が投げている試合で、相手打線の1巡目の結果や配球を覚えるのが苦手なのですが、最近はベンチに戻ったときに書いていると頭に入ります。あとは自分がどう投げた、マウンドの状態はこうだったなど、感じたことを書いていますね。しばらくは続けてみようと思います」
今年は開幕を二軍で迎えたが、4月13日に救援要員で一軍昇格。5試合登板で防御率2.57は決して悪い数字ではないが、内容はピリッとしなかった。初登板から2試合連続失点を喫し、すべての登板で走者を背負った。直球、スライダー、カットボール、フォークとすべての球種で目を引く球を投げるが、再現性が高いとは言えない。2ストライクと追い込んでも相手打者にファウルで粘られるとボールが抜けて四球を出す場面が。巨人は救援陣の層が厚い。5月1日に登録抹消された。
先発にも適性
先発でも適性があるため、ファームでは長いイニングを投げている。先発ローテーションを見ると、
山崎伊織、
フォスター・グリフィン、
井上温大、
赤星優志、
戸郷翔征の5人が確定だが、六番手が固まらない状況だ。エースとして期待される戸郷も8試合登板で1勝4敗、防御率5.68と本来の投球ができていない。西舘は田中将と共に一軍で先発登板の機会を与えられる可能性が十分にある。
チャンスをつかめば、立ち位置が劇的に変わる世界だ。ドラフト4位で同期入団の
泉口友汰は課題とされていた打撃で目を見張る成長を見せ、44試合出場で打率.306、2本塁打、14打点。遊撃の定位置をつかみ、5月28日の
広島戦(金沢)から三番に座り10試合連続安打をマークしている。広角に安打を積み重ね、得点圏打率.448と勝負強い打撃が光る。
西舘も一軍で自分の居場所をつかめるか。存在価値を示す時に備え、ファームで最善の準備を尽くす。
写真=BBM