6校すべてが「勝者」

第72回「六旗の下に」で東京六大学の6校の格式のある旗が披露された。左から早大、立大、法大、慶大、明大、東大[写真=田中慎一郎]
東京六大学応援団連盟主催の第72回「六旗の下に」が6月14日、J:COMホール八王子で行われた。
いつもは各部を全力で応援する側だが、この日ばかりは、年に1度、応援団(応援部、應援指導部)が主役の場である。常日ごろから練習で鍛え上げた、各校伝統の応援を披露。リーダー、吹奏楽、チアリーダーが三位一体となった迫力ステージを展開した。
ステージ上に各大学のスクールカラーが施された6本の旗が立ち並ぶだけで、壮観である。
オープニングステージから、持ち時間30分の各校ステージ。軽妙な司会ぶりも見どころの一つで、4年生幹部にとっては、最高の晴れ舞台である。早稲田大学応援部、立教大学体育会応援団、法政大学応援団、慶應義塾体育会應援指導部、明治大学応援団、東京大学運動会応援部の順にパフォーマンスを見せた。最後はフィナーレステージで締められた。
今年は東京六大学野球連盟が結成100周年。野球部と応援団(応援部、應援指導部)は一心同体、運命共同体である。例年にも増してボルテージは最高潮だった。14時45分の開演から19時15分のフィナーレまで、目の離せない内容充実の4時間30分であった。
この日のステージに、勝ち負けはない。6校すべてが「勝者」である。人のために、汗を流す。なかなかできるものではない。神宮球場の応援席で、選手のために全力を傾ける姿には、いつも感動を覚える。
令和に、昭和の香りがプンプンする。「時代錯誤」ととらえる声があるかもしれないが、この文化なくして、東京六大学の歴史を語ることはできない。かつて在籍した野球部では毎年、「六旗の下に」へ足を運ぶ慣習があった。日ごろからの感謝の思いを、直接伝えるためである。グラウンドでプレーする選手たちも、このステージを一度見れば、心が動かされるのは間違いない。秋口には、各校単独のステージが開催される。応援を間近で見れば、1プレーに対する意識は確実に変わる。彼らの活動には、覚悟を決めた「魂」があるからだ。
文=岡本朋祐