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中日にトレード移籍の佐藤龍世 繊細な性格で「攻守の中心選手」期待が

 

今回が3回目のトレード


金銭トレードで西武から中日へ移籍した佐藤


 真っ黒に日焼けした佐藤龍世が、新天地で必死にプレーしている。

 西武から金銭トレードで移籍し、6月17日にバンテリンドームで入団会見を行った直後のオリックス戦に、「五番・三塁」で先発出場した。1点差を追いかける初回一死満塁の好機に同点となる中犠飛、3回に四球で出塁すると、8回に右翼線二塁打を放った。守備でも9回一死満塁のピンチで中川圭太の三邪飛を後ろ向きの体勢で捕球すると。タッチアップを狙った三塁走者・森友哉をストライク返球して本塁で刺した。19日の同戦でも守備で魅せた。初回無死満塁でボテボテのゴロを捕球し、素早く本塁へ投げて三塁走者を封殺。3回無死一、二塁ではゴロを捕球すると三塁ベースを踏んだ後に二塁へ送球して併殺。一塁の送球は間一髪で間に合わずトリプルプレーは完成しなかったが、自慢の三塁守備で何度も好守を見せている。

 西武、日本ハム、西武を経て今回のトレードが3回目となる。昨年は93試合に出場して打率.244、7本塁打、34打点をマークし、シーズン終盤は四番に座った。パンチ力があり、選球眼が良いことにも定評がある。今年は外崎修汰と三塁の定位置を競う立場で期待が大きかったが、オープン戦の時期に遠征先で寝坊してチームが移動する集合時間に間に合わなかったため、三軍降格に。信頼を取り戻すためには姿勢で示すしかない。イースタン・リーグで41試合出場し、リーグトップの打率.324をマークしていた。

ラストチャンスの覚悟


 中日にトレード移籍が決まり、今回がラストチャンスの覚悟で臨まなければいけない。チームによって立場が変わる。その経験は野球人生の大きな糧になっているだろう。日本ハムにシーズン途中にトレード移籍した21年にスタメンでの出場が急増。4三振した試合後に「ヤバイです、今日、4三振しちゃいました。結構、もう立ち直れないです」と当時のチームメートで、尊敬する森友哉(現オリックス)に電話で弱音を吐いた。すると、「別にええやん。こうやって毎日試合に出られるんやから、明日取り返せばええ。明日打てば、今日のことは誰も忘れるから」と助言を受けたという。佐藤は週刊ベースボールの取材で心境の変化があったことを明かしている。

「何か『そういう感じでいいんだ。明日打てばいいや』っていう切り替えじゃないですけど、そう気付かせてもらった。今まで1試合で1打席、守備固めからの1打席、代打からの1打席とかしか、ほぼチャンスがなかった自分からしたら、毎日(試合に)出る人の考え方は、出てみないと分からないことがあった。1日に懸ける思いは、途中から出る人のほうが強いと思うんですよ、多分。毎日、シーズン通して140試合をどう戦うかって考える人より、143試合、これがシーズン最後の打席かもしれない。なので、その1打席に懸ける思いって、バックアップの人のほうが多分気持ちが強いと思うんです。自分も、その気持ちで毎日試合に出ていて。でも、森さんとかずっとスタメンで出る人の気持ちを聞けて、めちゃくちゃ『それでいいんだ!』と。めっちゃ自分の中で聞けて良かった。去年の中で一番印象に残っていますね」

チームメートに寄り添う姿勢


 強面に見えるが、性格は繊細だ。だからこそ、チームメートに寄り添える。守備の際は投手に積極的に声掛けし、新加入の選手とコミュニケーションを図る。オリックスから西武に今年加入したレアンドロ・セデーニョは「チームメートで一番仲がいいのはサトウ(佐藤龍世)です。彼は去年僕がオリックスにいたときから、なぜか対戦のたびにあいさつに来てくれていたんですよ」と語っていた。

 西武では背番号『10』を背負い、チームの主力選手として期待が大きかった。持っている能力は申し分ない。中日で攻守の中心として活躍することが、応援してくれるファンへの恩返しになる。

写真=BBM
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