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打率1割台でファーム降格も…復調待たれる「巨人のWBC戦士」は

 

競争はさらに熾烈に


今後の巻き返しが期待される大城


 巨人の正捕手争いに割って入れるか。巻き返しが期待されるのが、かつてメイン捕手で活躍した大城卓三だ。

 今季は32試合出場で打率.143、3本塁打、7打点。「強打の捕手」として定評があったが、打撃不振で5月下旬にファーム降格を味わった。捕手でのスタメン出場は3試合のみ。一塁のほうが7試合と多いが、与えられたチャンスで結果を出すしかない。6月19日の日本ハム戦(東京ドーム)では土壇場で大記録を阻止した。相手右腕・北山亘基に9回一死まで無安打に抑え込まれていたが、大城が真ん中に浮いたフォークをすくい上げて右翼席に3号ソロ。巨人戦のノーヒットノーランは2002年の川上憲伸(中日)以来23年ぶりの屈辱だったが、大城の一打で回避した。

 23年にWBCのメンバーに選出されて世界一を味わうと、シーズンも134試合出場で自身初の規定打席に到達し、打率.281、16本塁打、55打点をマーク。盗塁阻止率.373と攻守での貢献度が高く、自身2度目のベストナインを受賞した。だが、阿部慎之助監督が就任した昨年は本来の力を発揮できず、5月にファーム降格を経験。一軍復帰後も本職でない一塁を守る機会が多かった。

 捕手での先発マスクは34試合と大幅に減らし、岸田行倫の72試合、小林誠司の36試合に次ぐ3番手に。今年は同学年でソフトバンクから甲斐拓也がFA移籍したことで、競争はさらに熾烈となった。甲斐が開幕から先発マスクをかぶり続けていたが、5月下旬以降は岸田が攻守で活躍して出場機会を増やしている。大城は直近の試合で6月22日の西武戦(東京ドーム)で戸郷翔征とバッテリーを組んだが、0対5と完敗。打撃でも3打数無安打に終わり、アピールできなかった。

存在価値を高めている捕手


 昨年9月に国内FA権を取得しており、オフに権利を行使するか注目されたが、「ジャイアンツでの7年間を思い返しながら考えた中で、ジャイアンツで戦いたいと素直に思いました。今のチームメートと、いい景色を見たい。このチームでプレーしたいという思いが強かった」と残留を決断した。他球団からの評価が高かったため、「もったいない」という声が聞かれたが、厳しい競争を勝ち抜いて仲間たちと喜ぶことにやりがいを見出した。大城と捕手としてのタイプは違うが、FA権を行使したら複数球団の争奪戦が必至と言われた中で、チームに残留して存在価値を高めているのが若月健矢(オリックス)だ。

 規定打席に到達したシーズンはないが、オリックスの扇の要として活躍。22年オフに同学年の森友哉が西武からFA移籍してきたが、同じくFA権を取得した若月はこの年のシーズン中に早々と残留を決断した。

オリックスの扇の要として真価を発揮している若月


 翌23年。森が正捕手と見られたが、故障で離脱した影響で捕手での出場は57試合にとどまり、若月が92試合でマスクをかぶった。森が故障から復帰後も指名打者で起用され、捕手として試合に出続けたことが価値の大きさを示していた。週刊ベースボールのインタビューで、以下のように語っていた。

「友哉がFAで来ましたからね。当然、友哉がメインで出るものだと思っていたので。その半面、負けていられないという気持ちもありました。今年に関しては、友哉は1年目。僕のほうがウチ(オリックス)のピッチャーを知っていて当然なので、簡単に負けるわけにはいかない。来年以降は、そのちょっとしたアドバンテージもなくなるので、もっと頑張らないといけないんですけど(笑)」

「友哉は強力な仲間ですし、頼れるチームメートです。友哉に負けてはいられないけど、一緒になってという思いも当然ありました。そんな友哉が(故障で)抜けたときにチームが負けてしまっては、それこそ悔しいじゃないですか。だから、『やらなきゃいけない』という思いは当然ありました。何より、友哉自身が離脱してしまったことが悔しかったと思うんです。だから、個人としての思いだけではなくて、チームとして『やらなきゃいけない』という思いが強かったので、なんとか頑張れたので良かったなって」

 若月が逆境からはい上がったように、大城にも必ずチャンスが巡ってくる。正捕手奪取へ、意地を見せられるか。

写真=BBM
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