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「今の巨人打線で最も怖い」他球団が警戒する「ベテランの強打者」は

 

バッテリーが神経を使う好打者


ベテランながら奮闘する丸


 首位・阪神に同一カード3連敗を喫したが、このままズルズル負けるわけにはいかない。巨人が7月4日の広島戦(東京ドーム)を1対0で逃げ切り、勝率5割に戻した。山崎伊織と相手先発・森下暢仁の手に汗握る投手戦になったが、0対0の8回に代打で登場したトレイ・キャベッジが右翼席中段に運ぶ8号決勝ソロ。値千金の一撃で勝負を決めた。

 試合には勝ったが、6月29日からの6試合で計5得点と打線がつながりを欠く。その中で奮闘しているのが、36歳のベテラン・丸佳浩だ。昨季138試出場で打率.278、14本塁打、45打点。5月から一番打者を担い、出塁率.360をマーク。146安打を記録し、通算1842安打まで積み上げた。残り158本に迫る大記録について、「頭の片隅にもなかった。まだまだ現役でやっていきたいし、一日一日を必死にやらないと」と無欲を強調。オフの自主トレで、「可動域を意識したエクササイズを取り入れて3年ぐらい経つのかな。継続してやった影響か、ある程度重いものを持って体を大きくしても、不具合が出なさそうな感じが今はする」と手ごたえを口にしていた。

 開幕直前に右太腿裏の肉離れで戦線離脱したのは、チームにとって大きな痛手となったが、5月27日に一軍昇格すると打席を重ねて調子を上げている。6月7日の楽天戦(東京ドーム)から10試合で無安打は1試合のみ。19日の日本ハム戦(東京ドーム)で4打数無安打に終わったが、翌20日の西武戦(東京ドーム)から10試合連続安打をマークし、打率が3割近くまで上昇した。他球団のスコアラーは「岡本和真が故障で離脱している巨人打線の中で、最も怖い選手が丸です。状況判断に応じた打撃ができるのでバッテリーが神経を使う」と指摘する。

歴代12位の四球数


 丸の強みは広角に安打を打つだけではない。甘く入れば長打を放ち、ボール球に手を出さない。通算1081四球は現役選手の中でトップ。歴代の成績でも12位に該当する。現役時代にNPBで5番目に多い通算1274四球を選んだ野球評論家の張本勲氏は、四球の重要性について以下のように語っている。

「先頭打者への四球は得点になりやすいとよく言われるが、これは当たっている。四球は言ってしまえば投手のミスだからだ。もちろん状況によっては歩かせていい場面もあるが、ただ単にストライクが入らないのでは話にならない。特に同点や僅差の場面での四球は安打よりも得点になりやすいかもしれない。打者に粘られた挙句に最後は四球を出すくらいなら、初球を安打されたほうがいいと思うのは野手の本音だろう。守るほうも1球1球に集中しているわけだから、投手が四球、四球と続けると次第に集中力が落ちていく。失策はそういうときに起きやすく、それは明らかに守りのリズムが悪くなっているからだ」

「野球には試合の流れというものがあるが、それは四球をきっかけに動くことが少なくない。特に投手戦の場合がそうだ。1本の安打よりも1つの四球を選ぶことのほうが投手に与えるダメージが大きい場合もある。たかが四球、されど四球なのだ」

岐路に立つ同世代の選手


 ベテランは結果を出さなければ、世代交代の波にのまれてしまうシビアな世界だ。丸と同世代の「89年生まれ」の選手たちは、野球人生の岐路を迎えているケースが珍しくない。

 中田翔(中日)は2年契約最終年だが、22試合出場で打率.169、2本塁打、4打点。5月中旬に腰痛で登録抹消されると、1か月半が経った偏在もファームで調整している。抑えを長年務めてきた益田直也(ロッテ)も11試合登板で1勝1敗3セーブ、防御率5.06と投球内容が不安定だったことから中森俊介が守護神に。名球会入りの条件である通算250セーブにあと4に迫っていただけに悔しさはあるが、ここで心が折れるわけにはいかない。中継ぎ要員で6月14日に一軍昇格し、登板を重ねている。

 まだまだ若手に負けるつもりはない。逆転でのリーグ連覇に向け、丸がチームを引っ張る。

写真=BBM
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