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「ファームの帝王」が一軍で覚醒か 攻走守3拍子そろった「巨人のチャンスメーカー」は

 

一軍再昇格後は好成績


好調を持続させ、さらに成績を伸ばしていきたい


 このチャンスを絶対に逃したくない。目を見張る活躍を見せているのが、巨人・佐々木俊輔だ。

 7月12日のDeNA戦(横浜)。「二番・中堅」で、5月1日の広島戦(東京ドーム)以来となる先発起用されると、初回無死三塁の好機で大貫晋一が初球に投じたスプリットを振り抜き、中堅フェンス直撃の適時二塁打。2回に二塁内野安打、5回も左前打を放って猛打賞の活躍で勝利に貢献した。翌13日の同カードでも2点を先制して、さらに2回二死一、三塁の好機で、アンドレ・ジャクソンの内角に食い込むカットボールを中前へはじき返した。7回も初球にセーフティーバントを試みると、1ボール2ストライクと追い込まれた後に左前打を放ち、3試合連続マルチ安打。4日に一軍再昇格後は16打数9安打で打率.563と絶好調だ。

 一軍では結果を残せず、ファームに降格すると安打を重ねる。今年はイースタン・リーグで47試合出場して打率.328をマークしたが、一軍では6月まで打率0割台と結果が出なかった。ストライクゾーンの球に手が出ず、追い込まれるとボール球になる変化球でバットが空を切る。一軍と二軍では投手のレベルが違うとはいえ、明らかにパフォーマンスが違った。だが、7月に一軍昇格後は打撃スタイルに変化が。強引に引っ張らず、中堅から逆方向への安打が目立つようになった。

刺激になる存在


 プロ2年目だが、佐々木は毎試合、毎打席が野球人生をかける勝負だ。大学、社会人を経てプロ入りしたのが24歳。新人の昨年は開幕戦に「一番・中堅」で開幕戦に出場した。巨人で新人野手の開幕スタメン出場は2001年の阿部慎之助監督以来、23年ぶりだった。即戦力として期待が大きかったが、59試合出場で打率.231、0本塁打、6打点。初球から打つ積極果敢に打つ姿勢は評価できるが、打席での粘り強さが物足りなかった。出塁率.275はチャンスメーカーとして合格点を与えられない。後半戦はファームで過ごす時期が多かった。

 巨人は外野の3枠が固まっていない。来日2年目のエリエ・ヘルナンデス、今年から来日したトレイ・キャベッジが攻守の中心選手として期待されたが打撃不振で共にファームへ。定位置が確定しているのは、右大腿二頭筋筋損傷で出遅れ、6月中旬以降に一番で固定されている丸佳浩ぐらいだろう。

 刺激になる存在がいる。ドラフトで同期入団の泉口友汰だ。泉口は佐々木と同様に大学、社会人を経て入団し、昨年は66試合出場で打率.201、1本塁打、9打点と一軍に定着できなかった。佐々木と似た立場だったが、今年は4月に遊撃の定位置をつかみ、75試合出場で打率.281、4本塁打、19打点をマーク。攻守でチームに欠かせない存在になり、球宴に初選出された。佐々木も負けてられない。

子どもたちに夢を与える選手に


 東京で生まれ育ち、憧れの巨人でプレーできることは特別な意味を持つ。週刊ベースボールのインタビューで以下のように語っていた。

「プロ入り前の2023年と昨年末に、子どもたちに向けた野球教室に参加させていただきました。僕が打ったときには大きな歓声を上げて喜んでくれて、こちらもみんなの笑顔を見ることができたので楽しかったです。子どものころ、地元の東京都日野市で参加したジャイアンツアカデミーのイベントで、宮本和知さんが来てくださったんです。最後に『チームから2人、誰か勝負しよう』と言ってくれて、自分が打者として対戦し、ヒットを打たせていただいたのは、今でも覚えています。僕も小さな子の将来にとって、何かしらのきっかけになれたらうれしいです。子どもたちに夢を与えることができる選手になれるよう頑張ります」

 首位・阪神を追いかけるためにも、得点力を上げることが大きな課題だ。上位を打つ佐々木の役割が重要になる。一過性の勢いで終わらず、外野の定位置をつかめるか。野球人生の分岐点を迎えている。

写真=BBM
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