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中日CS進出のカギ握る存在 覚醒した助っ人に「日本野球で成功できる」高評価が

 

柔らかさを兼ね備えた打撃


中日の主軸として活躍しているボスラー


 得点力不足が課題の中日だが、明るい兆しが見えている。228得点はリーグワーストだが、7月は阪神に次ぐリーグ2位の58得点をたたき出している。最大11あった借金も6まで減らして前半戦を終えた。後半戦に向けてカギを握る存在が、上林誠知細川成也と共にクリーンアップを組むジェイソン・ボスラーだ。

 メジャーでは目立った実績はないが、昨年はマリナーズ3Aで119試合出場し、打率.303、31本塁打、110打点をマーク。マイナー通算162本塁打の長距離砲は打線の中軸で期待されたが、3月上旬に上半身のコンディション不良で戦線離脱し、開幕をファームで迎えた。4月11日に1軍昇格して以降も日本の野球に対応するのに苦労したが、7月は月間打率.318、3本塁打、13打点をマーク。勝負強い打撃が光る。13日の広島戦(バンテリン)では、同点の延長10回無死満塁で遠藤淳志の直球にバットを折られながらも、右前に運ぶ来日初のサヨナラ打。ナインから手荒い祝福を受け、満面の笑みを浮かべた。

 15日の阪神戦(甲子園)で同点の延長11回一死二塁の好機に、フルカウントから左腕・島本浩也の142キロ直球を左中間へはじき返す決勝の適時二塁打で2試合連続ヒーローに。5年ぶりの7連勝を飾った19日のDeNA戦(バンテリン)でも4安打3打点の大暴れだ。他球団の首脳陣は「変化球への対応力が上がりましたよね。パワーヒッターだけど柔らかさを兼ね備えているので打率も、高水準な数字を残せるタイプだと思います。日本野球で成功できる可能性が十分にあります」と分析する。

超がつくほどの真面目ぶり


 ボスラーは超がつくほどの真面目ぶりで知られる。ナイター開始5時間前の午後1時に早出特打を敢行することも。試合から帰宅後は映像で研究するのがルーティンになっている。好結果にも気持ちが浮つくことがない。7月2日のDeNA戦(横浜)で、4回に石田裕太郎の145キロ直球を右中間最深部に運ぶアーチ。翌3日の同戦も初回二死一、二塁の好機で小園健太のスプリットをすくい上げ、右中間スタンドに飛び込む先制の6号3ランを放ったが、「得点はチームの手助けになるけど、試合に勝てないことにはね。ボールは強く打てているけど……。そのなかで三振も多いので、そこを改善していきたい」、「最近は狙っていない球を振ってしまって三振になっている。そういう球をいかに振らないようにできるかだね。もっとチームに貢献できるように頑張るよ」と謙虚な姿勢を崩さなかった。

「郷に入っては郷に従え」の精神


ヤクルト巨人[写真]、DeNAでプレーし、2000安打も記録したラミレス


 日本野球で成功する助っ人に共通していることは、「郷に入っては郷に従え」の精神を貫いていることだ。現役時代に外国人選手で史上唯一のNPB通算2000安打を達成し、引退後はDeNAの監督を務めたアレックス・ラミレス氏は週刊ベースボールのインタビューで、以下のように語っている。

「まず、日本の選手と親密になることから始めました。選手と仲良くなることで、日本の野球の理解も進んだように思います。『なぜ1回から犠牲バントをするのか?』など、日本で当たり前のように行われていることがアメリカでは行われておらず、その背景を知ることができたんです。当然、かなり時間はかかりました。『私は今、日本にいる。成功するためには、日本の野球をプレーしなければならない』『成功するためには日本人と同じメンタリティを持つ必要がある』と気づかされたのです」

「誰よりも分析をしました。おそらく、ほかのどんな日本人選手よりも時間を費やしたと思います。そこで分かったのが、捕手を分析することによって、さらに打撃の数字は上がりました。日本の野球は捕手がゲームをコントロールしているんです。それが理解できるとより成功を収めることができましたね。それともう一つ。日本独特の“SHOUGANAI”シチュエーション(しょうがない状況)を理解できるようになったことも大きかった。“SHOUGANAI”を理解するのは外国人には難しいことなんです。そうした状況に直面したときでも、『ハイ、ワカリマシタ』と対応することで、うまく切り抜けることができるようになった。それを理解すると、野球以外の生活でもうまくいくようになりましたね」

 中日は2位のDeNAを2.5ゲーム差で追いかける。借金を早い時期に完済して本拠地・バンテリンドームでCS開催へ。ボスラーは救世主になれるか。

写真=BBM
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