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後半戦はスタメン出場ゼロ…坂本勇人は「野球人生の正念場」で復活できるか

 

春先から打撃の調子が上がらず


19年目の今季、苦しみながらも懸命にプレーする坂本


 プロ19年目。巨人坂本勇人は今まで何度も立ちはだかる壁を乗り越えてきたが、最大の試練を迎えている。

 シーズンを通じて三塁を守った昨年はゴールデン・グラブ賞を受賞したが、打率.238、7本塁打、34打点。4年ぶりのリーグ優勝も、17年ぶりに再調整で二軍降格を経験するなど満足のできる数字ではなかった。巻き返しを誓った今季だったが、春先から打撃の調子が上がってこない。4月15日に登録抹消され、ファームで汗を流した。

 チームも苦しんでいた。主砲の岡本和真が左肘靭帯損傷で離脱すると、坂本が5月7日に緊急昇格。同日の阪神戦(東京ドーム)で、2対2の4回二死一塁で門別啓人のスライダーを左翼線へはじき返す適時二塁打を放った。決勝打となり、「和真がケガをして、巨人軍の四番で1人で背負いながら戦っている姿を見ていました。和真の代わりにはなれないですけど、チーム全員でカバーしながら帰ってくるまで頑張ります」とお立ち台で誓った。

 高卒1年目から試合に出ている坂本は、先輩たちの姿を追いかけて成長への糧にしてきた。「当時は超一流の先輩方がいっぱい。小笠原(小笠原道大)さん、ラミレス、阿部(阿部慎之助)さんや由伸(高橋由伸)さん。皆さん、すごく練習を入念にされて、準備にかける時間も長い。何か吸収したい、盗みたいという気持ちを常に持っていました。野球に向き合う姿勢を学びましたね。試合ではミスもたくさんしましたけど、落ち込むこととかはなかったです。どちらかと言うと自分に腹が立って、『くそ! なんでうまくいかんねん!』という気持ちになっていましたね。使ってくれた首脳陣の方たちとカバーしてくださった先輩方に感謝しています」と振り返っている。

レジェンドOBの叱咤激励


 年齢を重ねると主将を務めて後輩たちを引っ張ってきた。36歳の現在もチームの精神的支柱であることは変わらない。得点力不足が懸念されるチーム状況で打棒爆発が期待されたが、決勝打を放った阪神戦の次の試合から9打席連続無安打。再びファームに降格した。

 6月10日に一軍再昇格後は鋭いスイングを見せ、徐々に本来の姿を取り戻していく。7月9日の中日戦(福島)から5試合連続で四番に抜擢された。球団OBの廣岡達朗氏は週刊ベースボールのコラムで、叱咤激励のメッセージを送っている。

「巨人に関しては誰が柱なのか分からない。それだけの存在を育ててこなかった証拠だ。本当は坂本勇人がリーダーシップを発揮しなければウソである。そう思っていたら、東北シリーズから坂本が四番に入った。7月11日、DeNA戦(横浜)では延長戦で決勝本塁打を放った。表情も生き返った。岡本和真が左ヒジじん帯損傷で戦線離脱して以来、阿部慎之助監督は代わりの四番を模索してきた。トレイ・キャベッジ吉川尚輝大城卓三増田陸。しかし、帯に短し襷に長し。それが、ここにきて坂本を四番に据えた。私はこれまで坂本に厳しい評価をしてきた。いつもニヤけたような表情の彼から本気度、真剣みが伝わってこなかったからだ。しかし今回の四番起用は評価したい。坂本を打線の中心に据えて、その地位を立派に務め上げられなければ潔く身を引く覚悟でやればいいのだ。億単位の年俸をもらっておいて休み休み六、七番で出てくるよりもはるかにいい」

代打の1打席に全神経


 44試合出場で打率.206、2本塁打、13打点。現在は11試合連続でベンチスタートが続いている。後半戦はスタメン出場が一度もないが、代打の1打席に全神経を注いでいる。7月26日の広島戦(マツダ広島)で1点リードの7回二死二塁で中崎翔太から左中間を破る適時二塁打。31日の中日戦(バンテリン)では2点リードの6回一死満塁で、藤嶋健人からきっちり左犠飛を放った。

 三塁はリチャードの先発出場が増えているが、定位置をつかむまでには至っていない。坂本は復調してホットコーナーを奪い返せるか。

写真=BBM
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