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【大学野球】ベーマガSTADIUMで「全早稲田戦」開催 スタジアム全体はエンジの早稲田一色

 

「お祭りです。全早稲田フェスティバル」


全早稲田戦では早稲田大学応援部による統率のある応援が展開された。左から応援企画責任者・朝日、代表委員主将・豊島、広報責任者兼インスペクター・浅見[写真=BBM]


【全早稲田戦】
8月9日 ベーマガスタジアム

 新潟県南魚沼市内のベーマガスタジアム(大原運動公園)で8月9日、全早稲田戦が開催された。今春の東京六大学リーグ戦で3連覇を遂げた早大の現役学生と、早大から社会人企業チームへと進んだOBで編成された「稲門倶楽部」が対戦。交流と真剣勝負を通じて、地域の野球の振興・普及を目的としている。

 2023年に初めて行われ、24年に続き、今回が3度目の開催である。試合は5対3で現役チームが勝利。この一戦の位置づけを早大・小宮山悟監督が「お祭りです。全早稲田フェスティバル」と話すように、先輩と後輩の絆、勝敗を超越した価値観がある。

 現役とOBによる交流戦は毎年、早稲田大学応援部が華を添えている。野球部と野球応援は運命共同体。東京から乗り込んできた同応援部の約50人は、神宮球場さながらの熱狂応援を披露した。説明するまでもなく、1回から9回まで、すべて早大への応援である。現役チーム、OBチームの攻撃のたびにお馴染みの『紺碧の空』が流れ、得点が入れば『早稲田大学校歌』が演奏される。敵味方はなく、表、裏の攻撃は休みなしで、大声援が続くのである。応援部泣かせではあるが、喜びのほうがはるかに大きかった。多くの観衆で埋まったスタンドを巻き込んでの応援は、常日ごろからの練習の成果が、存分に発揮されていた。

 同イベントが地元に密着したことを確信するシーンがあった。試合後の校歌、エールにすべてが凝縮されていた。グラウンドには本塁を挟んで一塁線に現役、三塁線OBチームが整列。ほとんどのスタンドの観衆は立ち上がり、早稲田大学校歌をリズムに合わせて、腕を振りながら、声を合わせ、3番まで声高らかに歌った。そして、最後は原則的に早慶戦で勝った際にしか歌われないという『早稲田の栄光』で締められた。ユニフォームを着た選手とスタンドが一体となる、感動的な光景が広がっていた。

 この日の試合後には野球教室(南魚沼市内の学童4チーム70人、同市内の中学3年生約30人)が控えていたが、子どもたち一緒になって校歌&エールに参加。もちろん、地元のファンも同様。スタジアム全体はエンジの早稲田一色に染まり、一体感のある世界をつくり上げていたのである。

早大・日野愛郎部長は試合後に言った。

「早稲田の人間としては、夢のような試合。毎年、力強い応援をする応援部には、感謝の言葉しかありません」

 2019年1月1日から早大・小宮山悟監督もベーマガスタジアムのスタンドに広がる光景に、興奮を隠し切れなかった。

「試合後に校歌(3番)を聞いた際は、球場全体が早稲田でしたので『未来永劫、夏は南魚沼で』という思いが芽生えました。早稲田の『夏合宿は軽井沢』と言われた時代がありましたが、あらためて南魚沼を定着させたいと思いました。『早稲田の栄光』は、そう簡単にはできない、涙が頬をつたう特別な曲なんです。この秋、優勝報告会のステージで再び歌えるように日々、練習を重ねていきます」

試合後の校歌では、グラウンド、スタンドと球場全体が一つになった[写真=BBM]


 応援部のコメントは下記である。

▽代表委員主将
豊島 悠(4年・桐蔭学園)
「私自身、全早稲田戦は2年ぶりの参加になりますが、南魚沼という思い出の場所に戻ってくることができ、幸せな時間でした。試合前の校歌、エール交換もよく声が響き、山々が広がる素晴らしい環境下で応援ができ、充実の1日を過ごすことができました。『早稲田の栄光』は滅多に披露することができませんので、感謝を込めて振りました」

▽広報責任者兼インスペクター
浅見真凛(4年・市立浦和)
「神宮球場でのリーグ戦は春、秋の開催。こうした夏場の環境下で応援する機会はあまりないので、私たちにとっても良い経験になりました。この夏は東京六大学オールスターが水戸、全早慶戦が名古屋、松山で開催されますが、今回の全早稲田戦が良いきっかけ、滑り出しになりました」

▽応援企画責任者
朝日里咲(4年・吉祥女子)
「私たちはスタンドで観戦する観衆を惹きつける応援をテーマに掲げており、今日も観客とのアプローチを意識して活動しました。試合終了後の校歌では、スタンドが一体となるムードをつくり上げることができ、私たちも楽しむことができました」

文=岡本朋祐
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