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通算2000安打は通過点? 驚異の出塁率で貢献度高い「巨人のリードオフマン」は

 

「神経を使う」バッター


一番で打線のけん引役となっている丸


 今年の巨人岡本和真が左肘靭帯損傷で長期離脱した影響で、打線がなかなか固定できなかった。首脳陣が頭を悩ませて試合前にスタメンを作成するが、一番に書き込むリードオフマンに迷いはないだろう。36歳のベテラン・丸佳浩だ。

 8月13日の中日戦(東京ドーム)で、初回に柳裕也が1ボール2ストライクから投じた内角低めの144キロ直球を右翼席に運ぶ先制弾。初回の先頭打者本塁打は、昨年9月18日のDeNA戦(東京ドーム)以来通算14本目だった。今季は55試合出場で打率.280、3本塁打、18打点。規定打席に到達していないが、出塁率.373はリーグ全体でトップの数字だ。通算2000安打まで残り102本。今季中の達成は厳しいが、来季は確実にクリアするだろう。他球団のスコアラーは「衰えを感じないですよね。打撃技術が高いことはもちろんですが、選球眼が良いのでボール球を振らない。甘く入ればスタンドに運ばれる怖さがありますし、神経を使いますよ」と警戒を口にする。

「できることをしっかりやる」


 昨季は131試合出場で打率.278、14本塁打、45打点をマーク。5月から一番打者を担い、出塁率.360とチャンスメーカーとして稼働した。契約更改を終えた記者会見の席では「(球団側から)一番バッターとして、チームを引っ張ってもらって非常に助かった、という言葉もいただいた。でも、自分の中の評価はそこまで高くない」と危機感を口にしていた。確固たる地位を築いても、貪欲な姿勢は変わらない。「自分がレギュラーとして出続けられるとか、一つも思っていない。浅野翔吾選手、佐々木俊輔選手、萩尾匡也選手と、生きのいい外野手はたくさん出てきていますから、負けないように頑張りたい」と表情を引き締めていた。

 開幕直前に右太腿裏の肉離れで出遅れたが、焦る気持ちを抑えてファームでリハビリに打ち込んだ。「ケガをしてしまったことでウダウダ考えても仕方がない。今から取り返そうと思って肩肘張ってもよくない。自分のキャパシティーの中で、できることをしっかりやりたい」。5月27日に一軍昇格すると、故障で離脱している岡本に代わって四番に起用された時期も。7試合出場で打率.320をマークしたが、6月中旬から一番に固定されている。6月18日の日本ハム戦(東京ドーム)では、同点の7回一死二塁で池田隆英の直球をはじき返し、前進守備の中堅・水谷瞬の頭上を越える適時二塁打。この一打が決勝点になり、「もう本当にチャンスだったんで、どんどん振っていこうと、積極的にいこうと思っていたんですけど。まぁ、なんとか気持ちでね、外野を越すことができて良かったです」とお立ち台で安どの表情を浮かべていた。

勝利へ導く献身的な姿勢


 巨人に移籍7年目で交流戦通算100安打をクリア。コンスタントに活躍している証しと言える数字だ。広島時代に交流戦で154安打を放っており、2チームで交流戦100安打達成は新井貴浩内川聖一村田修一アレックス・ラミレスに続いて史上5人目の快挙だった。チームを勝利へ導く献身的な姿勢は年数を重ねても変わらない。7月2日の阪神戦(甲子園)では、0対0で迎えた8回無死一塁で犠打のサインが出た。2年ぶりの犠打をきっちり決めてチャンスメーク。スタンドからどよめきが起きたが、丸に戸惑いはなかった。

 外野の守備では左翼、中堅、右翼と全ポジションを守っていたが、7月13日のDeNA戦(横浜)以降は、右翼で固定されている。8月7日のヤクルト戦(東京ドーム)では同点の7回二死二塁のピンチで、村上宗隆の打球が東京ドームの天井を直撃。打球の軌道が変わったが、前進してスライディングキャッチ。俊敏な動きで好捕した。

 ベテランの域に入ると、全盛期の時のようなパフォーマンスを発揮することが難しくなる。チーム最年長となる40歳の長野久義は17試合出場で打率.136、0本塁打、0打点。7月29日に登録抹消されてファームで調整している。丸の1学年上で大黒柱の坂本勇人も、48試合出場で打率.197、2本塁打、14打点と上昇気流に乗れない。若返りの波が押し寄せる中、過去の実績で定位置を張れる世界ではない。自身の存在価値を証明するため、丸はきょうも攻守でチームを引っ張る。

写真=BBM
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