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2025夏の甲子園

【甲子園】日大三の準優勝を陰から支えた応援団長 ムードを盛り上げた献身的な姿勢

 

可能な限りのサポート


「ガッツ・気合・根性」の特大メガホンを手にした日大三・山端団長は今夏の5試合、アルプス席で声を張り上げた[写真=BBM]


【第107回全国高等学校野球選手権大会】
8月23日 決勝 阪神甲子園球場
沖縄尚学[沖縄]3-1日大三[西東京]

 準優勝・日大三高には頼れる応援団長がいた。

 187センチ114キロ。控えの一塁手・山端大輝(3年)である。日大三中出身。選手層の厚いチームにあって高校3年間、練習試合を含めて、出場機会には恵まれなかった。どんなときも下を向かず、声を出し続けた。

 ムードを盛り上げる献身的な姿勢は先輩、同期、後輩から慕われた。2年秋の新チーム結成時、自ら応援団長に立候補。2023年4月から母校を指揮する三木有造監督のモットーである「ガッツ、気合、根性」が記された特大メガホンを手に、メンバーを鼓舞してきた。

 今夏の甲子園、日大三高は決して下馬評が高いとは言えなかった。昨夏は早実との西東京大会決勝で、無念のサヨナラ負け。悔しさを胸に、歯を食いしばって練習し、今夏は2年ぶりの甲子園を決めた。全国舞台で一戦一戦、力をつけ、4試合を勝ち上がり、決勝に進出。沖縄尚学高との決勝で惜敗し、11年以来、3度目の全国制覇はならなかった。だが、「ガッツ、気合、根性」を前面に、全員で勝利に向かう姿勢は、多くの人の心をつかんだ。

 なぜ、ここまで登り詰めることができたのか。山端応援団長は間髪を入れずに、こう言った。

「12月末の強化合宿です。小倉全由前監督時代から行っていますが、最終日の28日まで2週間、過酷なランニングメニューが続きます。最後は皆で手をつないでゴールするんですが、何とも言えない感情に支配されます。とっくに足は動かないのに、気持ちで乗り越えることができる。大げさではなく『一生もの』。あの冬の練習が、夏に生かされていることは間違いないです。スバ抜けた選手はいませんが、全員が束になってむかっていく。ミスを全員でカバーする。それが、体現できた」

 主将・本間律輝(3年)は「自分はキャプテンタイプではありません。姿勢で見せるしかない」と明かしたことがある。同期の最上級生が本間を支え、後輩が盛り上げる組織が確立されていた。控え選手の所作を見れば、チームが分かると言われる。日大三高は山端団長を中心に、部員75人、一人の落伍者も出さない雰囲気づくりが実践されていた。今大会、山端団長以下、3年生はメンバー20人と同宿。可能な限りのサポートを尽くしてきた。

 決勝の試合後。一連の式典を終えると、選手たちはインタビュー通路に引き揚げてきた。最後尾付近に、とりわけ大型選手がいた。メンバーの補助員でもある山端団長は大きな荷物を抱え、控室へと入っていった。大粒の汗。最後までチームが動きやすいように、裏方の役目をまっとうした。

文=岡本朋祐
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