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首位快走の阪神でMVP級の活躍…他球団から「球界No.1の司令塔」高評価の選手は

 

チームトップの先発マスク


扇の要として投手陣をけん引、打撃でも高い能力を発揮している坂本


 阪神が9月2日の中日戦(バンテリン)で5対3と快勝し、優勝マジックを6に減らした。5日から広島DeNAと本拠地・甲子園で6試合が控えており、2年ぶりのリーグ優勝が決まる可能性が高い。

 MVPは誰が選ばれるだろうか。最有力候補が佐藤輝明だ。今季は不動の四番に成長して打率.272、35本塁打、86打点をマーク。本塁打はチームメートの2位・森下翔太に16本差をつけて独走し、打点もリーグトップで2冠王を狙える位置につけている。投手は才木浩人村上頌樹の活躍が光る。才木は12勝5敗、リーグトップの防御率1.66。同学年の村上も11勝3敗、防御率2.04と安定感抜群だ。リリーバーも盤石な中で、石井大智の活躍が際立つ。46試合連続無失点と日本記録を更新中で、1勝0敗8セーブ34ホールド、防御率0.18。圧巻の投球が続いている。

 近本光司中野拓夢大山悠輔岩崎優及川雅貴もチームの中心選手として不可欠な存在になっている。その中で首位快走を支える「阪神の頭脳」が、坂本誠志郎だ。昨年までは梅野隆太郎と併用されていたが、今年はチームトップの90試合で先発マスクをかぶり、正捕手に。才木が登板する試合は梅野がマスクをかぶっていたが、7月下旬以降は坂本がバッテリーを組んでいる。

『勝つ』ことにフォーカス


 真骨頂は投手の良さを引き出し、相手の狙いを瞬時に察知する配球術だ。新外国人右腕のデュプランティエが「彼は配球の天才」とお立ち台で絶賛したのが印象的だった。チーム防御率2.10はリーグ断トツトップ。7月にチーム防御率が1点台に突入して「驚異的」と話題となったが、坂本は謙虚だった。週刊ベースボールの取材で以下のように語っている。

「ここまでの好調は、ピッチャーが頑張っているからだと思います。僕はもう『勝つチャンス』を残すというか。チームが勝てるようにと思ったら、点を取られないようにするのが一番ですから。それが防御率1点台とかにつながっているかもしれないけど、本当に突き詰めれば、最後の27個目のアウトのときに1点差で勝っていたらいいので。やっぱりチームが勝つことが一番大事ですから。試合に入ったら『勝つ』ことにフォーカスしています。それが点をやらないことにつながって、防御率に出ているかもしれない。でも、個人的にはそこにフォーカスした野球をしたくはない」

 打撃でも成長の跡が見られる。打率.245だが、出塁率は.362にはね上がる。規定打席に到達していないが、この数字はリーグトップに相当する。選球眼が良く、ボール球をきっちり見極めて四球で出塁するケースが目立つ。象徴的な試合が、8月22日のヤクルト戦(神宮)だった。同点の延長10回一死一、二塁の好機で四球を選び、後ろを打つ熊谷敬宥の決勝適時打をおぜん立て。守備でも5投手を好リードで引っ張り、9回は一塁走者・内山壮真の盗塁を阻止して勝利に貢献した。

替えの利かない存在


 他球団のスコアラーは「データ全盛の時代で捕手の併用制がトレンドになっていますが、坂本はセオリーに捉われずに打者の裏をかく配球ができる。替えの利かない存在になっていますし、球界No.1の司令塔だと思います」と評する。

 ヤクルトの古田敦也、中日の谷繁元信巨人阿部慎之助(現巨人監督)……。正捕手が固定されていた時代は、強いチームに絶対的な扇の要がいた。坂本は「勝つことが一番ですし、僕は投手がいい思いをしてほしいというのが一番です。投手が勝てるために、僕は何ができるかを常に考えて動いています。投手がいい思いをするということは、チームが勝つことになる。そこはすべて繋がっているとも思いますね。そこで投手が勝って、チームが勝つと、僕にとってもいい循環が生まれると思っていますので。そのためにできることは準備して、いろいろなこれまでの経験などを使って、最後に出す答えが、タイガースが勝つこと。そうなるために配球を考え、その答えを導き出せるようにしています」と語っている。

 最優先されるのはチームの勝利――。相手打線を抑えるため、今日も頭をフル回転させる。

写真=BBM
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