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メジャーが熱視線 中日CS進出のキーマンは「驚異の安定感を誇る剛腕」

 

日本人投手最長記録


9月3日の阪神戦でリーグトップの38セーブをマークした松山


 剛速球右腕が、記録を塗り替えた。中日松山晋也が9月3日の阪神戦(バンテリン)で1回を無失点できっちり締め、リーグ単独トップの38セーブ。先頭打者の坂本誠志郎からフォークで空振り三振を奪い、日本人投手最長記録の26イニング連続奪三振を達成した。2020年の山本由伸(当時オリックス、現ドジャース)、22年の佐々木朗希(当時ロッテ、現ドジャース)、25年の今井達也(西武)を抜く快挙だ。

 奪三振能力の高さが光るが、際立つのは安定感だ。この試合では3点リードで一死一、二塁と一発出れば同点のピンチを背負ったが、熊谷敬宥をフォークで三ゴロ併殺打。走者を出しても決定打を許さない。今季は44試合登板で38セーブ、5ホールド、防御率1.44。セーブがつかなかった全6試合はすべて同点の場面で、セーブシチュエーションでの登板機会は成功率100%を継続している。メジャーの球団関係者は「直球が速いだけでなく球質が重いので、長打を打たれるケースが少ない。フォークも150キロ近い球速なので打者から見ると直球との見極めが難しい。球界トップクラスのクローザーでしょう」と絶賛する。

 育成ドラフト1位で指名されて3年。目を見張る成長曲線を描いている。新人の23年6月に支配下昇格すると、36試合登板で1勝1敗17ホールド、防御率1.27をマーク。昨年はプロ野球歴代2位記録の21試合連続ホールドを達成するなど、59試合登板して2勝3敗41ホールド、防御率1.33で、桐敷拓馬(阪神)と共に最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得した。

ケガで7月上旬に登録抹消


 ライデル・マルティネスが退団して巨人に移籍した今年は守護神に指名された。野球は9回の3つのアウトを取るのが最も難しいと言われるが、松山は重圧をエネルギーに変えているように見える。6月終了時点で2勝28セーブを記録。チームの白星は32勝だったため、ほぼすべての試合で勝った試合のマウンドに上がっていた。だが、7月4日に登録抹消される緊急事態が発生。右肘の疲労骨折だった。球宴のファン投票で選出されていたが、辞退を余儀なくされることに。一軍に復帰したのは8月9日だった。松山は週刊ベースボールの取材で、以下のように語っていた。

「右肘の故障で7月上旬から1カ月ちょっと抹消されていました。ようやく復帰となりましたが、この間もやれることは全部やったつもりです。密閉された筒型のタンク内に入って、加圧した高濃度の酸素を吸入する『高気圧酸素治療』を取り入れました。血中の酸素量が増えて、回復が促進する効果が期待できるということでした。これは3日連続で入りました。あとは井上(井上一樹)監督から『ビタミンK』を摂取したほうが良いと伝言をもらいました。なのですぐにサプリを取り寄せて摂取しました。どれがどの程度効いたかは正確には分かりませんが、とにかくやれることをやりました。前より強くなって戻ってきたつもりです」

ライバルを意識せず


 松山不在の1カ月で、9回にマウンドに上がった投手がリードを守り切れない試合が続き、存在の大きさを改めて感じさせられた。復帰後も抜群の安定感は変わらない。試合を締めくくった後に披露する親指と人差し指で輪っかを作るポーズが話題に。「アンダーアーマーにステフィン・カリーさん(歴代1位のスリーポイント記録を持つNBA選手)のカリーコレクションというのがあって、カリーさんがスリーポイントシューターなので、そういう(ロゴ)マークなんですよ。それを見て、いいなって。しっかりと3つのアウトを取った、という意味ですね」と明かしている。

 チームは借金9を背負っているが、CS圏内の3位・DeNAと1.5ゲーム差。個人タイトルでもセーブ数で、マルティネスと熾烈な争いを繰り広げている。ただ、特別な意識はない。

「皆さんからよく聞かれるんですけど、ライデルはライデルですし、僕は僕ですから。一緒に戦って、ものすごい投手であることは重々承知。ただ、ライデルを目標にしていたらライデルは超えられない。なので素晴らしい投手の一人だとしか言いようがないです。もちろん元チームメートと(セーブ数を)競い合っているというのは、いいことだとは思っています」

 シーズンは残り22試合。150キロ中盤の速球と落差の鋭いフォークで、打者をねじ伏せることに集中する。

写真=BBM
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