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佐藤輝明と石井大智の一騎打ちか 優勝王手の阪神で「MVP受賞の選手」は

 

快進撃を続ける阪神


強打で阪神打線をけん引している佐藤輝


 阪神が強い。9月6日の広島戦(甲子園)で4対1と快勝し、2年ぶり7回目のリーグ優勝に王手をかけた。きょう7日に優勝が決まれば、2リーグ制となった1950年以降で最も早い優勝決定となる。

 今年の快進撃が凝縮された試合だった。1点差を追いかける4回一死一、二塁の好機で、佐藤輝明がフルカウントから常廣羽也斗のフォークを右前にはじき返す同点適時打。この一打で試合の流れを変える。6回に森下翔太の左前適時打などで2点を勝ち越しすと、7回は中野拓夢の中前適時打で突き放した。守っては6人の継投策で2回以降無得点に封じる。最後を締めたのが石井大智だ。9回に無死一、二塁のピンチを招いたが動じない。小園海斗を中飛、モンテロの三邪飛は佐藤輝明が好捕すると、最後は末包昇大をフォークで空振り三振。日本記録を更新する47試合連続無失点で、9セーブを挙げた。

前監督も高く評価する佐藤輝


 投打ががっちりかみ合い、貯金は今季最多の32。2位・巨人に17ゲームの大差をつける圧倒的な強さで、注目されるのがMVP争いだ。先発の軸としてリーグトップの防御率1.66をマークしている才木浩人、正捕手の座をつかみ攻守で貢献度が高い坂本誠志郎の活躍が光るが、最有力候補となるのは佐藤輝明だろう。不動の四番に成長し、打率.277、36本塁打、89打点。本塁打でリーグトップを独走し、打点との2冠獲得の期待が掛かる。岡田彰布前監督は佐藤輝の活躍ぶりを、週刊ベースボールのコラムで高く評価していた。

「今年の阪神打線の『象徴』はなんといっても四番の佐藤輝(佐藤輝明)やろな。ヤクルトの村上(村上宗隆)の大幅な遅れ、巨人の岡本(和真)がアクシデントで長期離脱となった時点で、オレは佐藤輝のホームラン王を断言した。だってほかにライバルがいないんやから。それと佐藤輝自身の成長というか、進化というのかな。そら確実によくなっているわな」

「2023、24年の2年間、オレは監督の立場で佐藤輝に言い続けたわ。『泳ぐのを怖がるな』とね。今の選手に共通しているようなのだが、相手投手に対し、差し込まれることより、泳がされることが嫌らしい。でも、これはオレの打撃理論では逆なんよ。差し込まれれば、バットが折られたり、詰まった打球になる。これでは大きいのは出ない。逆に泳がされる……ということは、変化球に対してのこと。このとき、バットが泳がされても、体がしっかり残っていれば、それなりの対応、打球になる。特に佐藤輝のようなパワーヒッターなら、泳いでもホームラン。これは十分にあり得ることなんよ。現実に今年の佐藤輝のホームランの7割は変化球を打ったもの。これが示すように泳ぐことを恐れなくなったのが、今年の数字に表れている」

輝きを放つ石井


リリーフで無失点投球を続ける石井


 この佐藤に匹敵する輝きを放っているのが、ブルペンで稼働する石井だ。8月17日の巨人戦(東京ドーム)で1回無失点に抑え、40試合連続無失点のプロ野球記録を達成。その後も失点を許さず、記録を更新している。50試合登板で1勝0敗9セーブ34ホールド、防御率0.18。リリーバーは目立つ役回りではないが、その働きぶりは高く評価されるべきだろう。今季の登板で失点したのは、4月4日の巨人戦(東京ドーム)のわずか1試合のみ。防御率は驚異的な数字だ。

 野球評論家の伊原春樹氏は、以下のように分析している。

「石井の最大の持ち味は落ち着いたマウンドさばきだと思う。喜怒哀楽を表情に出すことはない。マウンドでは常に冷静で淡々と投げ込む。8月13日の(広島戦の)試合後には『相手打者の研究や分析が昨年よりもできるようになった。数字としていいものが出ているので自分のことを信用している』と語っていたが、大きな自信がマウンドでの不動心につながっている。さらに『いつかは点を取られるんで、それがいつなのかなってという感じです』と記録へのこだわりを見せることがない。とにかく、マウンドで自分の役割に徹することだけに焦点を置いている。それが結果的に無失点記録となっているだけで、記録を続けることを最優先にしているわけではない。自己のメンタルをしっかりとコントロールできているから、相手からしたらまったく隙が見当たらないはずだ」

 MVPは記者投票によって選出される。佐藤輝と石井。どちらも受賞に申し分ない活躍を見せている中、記者は頭を悩ませることになりそうだ。

写真=BBM
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