春に最高殊勲選手を獲得

東海大で司令塔の役目を担う4年生・柳[写真=大平明]
【9月6日】首都大学一部リーグ戦
東海大3-1城西大(東海大1勝)
首都大学リーグの2025秋季リーグ戦が開幕。一部リーグの開幕試合には春季リーグの覇者・東海大が登場し、城西大1回戦に臨んだ。この試合に「六番・捕手」で先発出場したのが春に最高殊勲選手を獲得した柳元珍(4年・八王子高)だ。
巨人でブルペン捕手を務める柳桓湊氏(リュ・ファンジン)を父に持つ柳。東海大では1年春にリーグ戦デビューを果たすと同年秋には10試合に出場。筑波大戦では延長12回にサヨナラ3ランを放つなど、印象的な活躍を見せた。しかし、その後は正捕手に定着することができず、パンチ力のある打撃も見せることができなかった。
今春はリーグ3位の打率.385をマークし、勝負強い打撃で10打点と大ブレイク。
「この冬はヒザや股関節をはじめ、一つひとつの動作を確認するトレーニングをしてきました。そのおかげで体のセンサーが敏感になり、自分の思うように体を動かすことができるようになったんです」
スローイングやバッティングが飛躍的に向上。余裕を持って打席に立てるようになったことで「ボールをしっかりと見極めることができ、自分の有利なカウントづくりができました」と振り返る。ちなみに四死球も11個で出塁率は5割を超えている。
さらに、好調な打撃は守備にも良い影響を与え、リード面でも投手陣をリーグ1位のチーム防御率2.00に引き上げた。
「配球はバッティングの時の逆のイメージでサインを出していて、相手バッターを見ながら、ピッチャーの良さを引き出すようにしています」
長谷川国利監督も「柳は低いボールも後ろへ逸らさないですし、投手陣から信頼されている。やっぱりキャッチャーは守備を重点的にやってほしいので起用しやすい選手です」とチームの女房役に指名している。
背番号「39」を着ける理由
この日の城西大戦ではエースの
米田天翼(3年・市和歌山高)をリード。
「ピッチングは高低、左右、奥行きとありますが、この夏、米田とは低めの強い真っすぐと高めの強い真っすぐをテーマに練習してきました」
この試合は「まだ70点」と米田を評価した柳だが、高低をしっかりと意識したピッチングで7安打1失点の好投を引き出し、成果を見せた。攻撃では大前圭右(3年・大阪桐蔭高)の2安打1打点の活躍もあり、3対1で城西大を下し、連覇へ向けて幸先の良いスタートを切った。
柳は夏場のケガの影響もあってノーヒットに終わったが「開幕は8シーズン目ですが独特な緊張感があって硬くなりました。でも、なんとか勝つことができて良かったです」と胸をなでおろし、「ラストシーズンなので、チームに良いものを残していければ」と続けた。
この試合ではスタメンに益岡潤平(1年・東海大甲府高)が抜擢され、キャッチャー登録の中森昂(1年・敦賀気比高)が代打で出場しているが「若い選手が出てきてくれていてチームの成長を感じます。中森をはじめ、キャッチャー陣とはよく話をしていますし、逆に後輩からアドバイスをもらうこともあります」とコミュニケーションもしっかりと取っているようだ。
チームは6月の全日本大学選手権で準決勝に進出。「全国大会でベスト4という思いはなくて、一からチームをつくり上げてきました」と柳。気を緩ませることなく、さらに上を目指す。
「秋はリーグ優勝して、関東選手権も獲って、明治神宮大会で日本一になりたい。それが最大限の恩返しだと思うので、そのためには身を崩してでも頑張りたい」
柳の背番号は「39」。上級生のレギュラーとなれば一ケタの番号を着けることも多いなかで「一番、最初にもらった番号ということもあるんですが39は『サンキュー』なので」と感謝の気持ち背中で表し、学生最後のシーズンを最高の結果で終われるように走り抜ける。
文=大平明