週刊ベースボールONLINE

首都大学リポート

【首都大学リポート】魂のこもった投球でチームに白星をもたらす武蔵大のクローザー・弓達寛之

 

高校時代にまさかのセンバツ選考漏れ


武蔵大・弓達は魂のある投球を披露している[写真=大平明]


【9月7日】首都大学一部リーグ戦
武蔵大6-4日体大(武蔵大2勝)

 首都大学リーグ第1週2日目。武蔵大が日体大に連勝し、勝ち点1を挙げた。

 武蔵大で抑えを任されているのが弓達寛之(3年・聖隷クリストファー高)。聖隷クリストファー高では、今となっては珍しいエースでキャプテンだった。

「1年生の頃から試合に出場し、2年生の時は1学年上の主将の横について勉強していたので、自分たちが最上級生になった時に自分から立候補しました」

 2年秋は東海大会で準優勝。センバツ大会の出場は確実と思われたが、まさかの選考漏れだった。

「センバツに出場できなかった時は悔しかったです。ただ、落選した現実は変わらないですし、自分が下を向いていたらチームも変わらないと思って、チームメートに声を掛けていました」

 奮起したチームは夏の静岡大会で勝ち上がっていったが、準決勝で敗退。弓達も長引く右ヒジの故障によりマウンドに上がることはできず「『自分が投げることができれば……』と考えることもありました」と悔いを残したまま卒業した。

 それでも「あの時以上のカベはないと思いながら普段から生活していますし、上手くいかないことがあっても乗り越えられる力が付いたと感じています」と経験を糧にしている。

 母校・聖隷クリストファー高は今夏、甲子園初出場。見事に1勝を挙げ「自分たちがやってきた野球が全国の舞台でも通用するところが見られてうれしかったです」と笑顔を見せている。

クローザー向きの性格


 武蔵大では2年春に二部でリーグ戦デビュー。今春は一部に昇格したチームのなかで、シーズン途中からクローザーに指名された。

 山口亮監督は「弓達はとにかく気持ちが強い投手。オープン戦でも抑えてきましたし、今年は3年生ながらチームの副主将を務めているくらい人間的にもしっかりしている。チームメートからは『弓達が点を取られたのなら仕方がない』と思われているくらい信頼されています」と評価している。

 弓達本人も「ブルペンでは緊張しているのですが、マウンドに上がったらもう抑えるしかないので『打てるものなら、打ってみろ』と思いながら投げています。気持ちでは絶対に負けないと思って投げているのが良い形になっているのだと思います」と性格も抑えに向いているようだ。

 元々は先発をしていたが、抑えになったことで調整法も変わった。

「週末に試合をしたら、月曜から水曜はウエイト・トレーニングや体幹トレーニングなど、体を強くする筋トレ。木曜と金曜はその強くした体をピッチングに連動させる練習をしています。良いイメージを持って試合に臨めるように感じられるまで30球ほど投げ込んだり、シャドウピッチングをしたり。シャドウは体重移動を意識しながらやるのですが、その時はタオルではなくボールを持っていて、ボールの感覚を忘れないようにしています」

「無失点でリーグ戦を終えたい」


 今秋は開幕から抑えを任され、前日の日体大1回戦では4点リードの9回に登板して無失点。そして、この日の2回戦は1点を追う9回表に中橋巧喜(3年・成田高)が同点の犠飛。さらに暴投の間に種田太一(3年・川越東高)が二塁から生還する好走塁を見せるなどこの回に3点を奪って逆転すると、弓達が9回裏のマウンドへ。

 二死から内野安打と四球で一、二塁とされたが、最後の打者はレフトフライに抑えてゲームセット。6対4で日体大を下し、マウンド上でガッツポーズを見せた。

「日体大には春のリーグ戦でやられているので、開幕前からチームで『やり返そう』と声を掛け合ってきました。1週目にその日体大から勝ち点を奪うことができて、思わずガッツポーズが出ました」

 好スタートを切った武蔵大。弓達は「横浜市長杯(関東大会)に出場することを目標にしているので、まずは2位以内に入ることを目指しながら、結果として優勝できれば。個人的には抑えをやっているので無失点でリーグ戦を終えたいです」と抱負を語った。

 これからも魂のこもった投球で、チームに白星をもたらしていきたい。

文=大平明
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング