体幹トレで取り戻した本来の打撃

筑波大・米田は勝ち点2の奪取に貢献した[写真=大平明]
【9月20日】首都大学一部リーグ戦
筑波大7-3帝京大(筑波大2勝1敗)
首都大学リーグ第3週1日目。前週に勝ち点を挙げた筑波大。今週は開幕週に1勝1敗のタイとなっていた帝京大3回戦に臨んだ。優勝を目指すチームで今年から主将を務めているのが米田友(4年・明豊高)だ。
米田は明豊高時代の3年春と夏に甲子園出場。春のセンバツでは準優勝。東播磨高との1回戦では3安打3打点と活躍し、市和歌山高との2回戦では、同じ首都大学リーグでプレーしている東海大・
米田天翼(3年・市和歌山高)から春夏通算2500号となるメモリアルな一発を放った。
「帰りのバスで知らされたのですが、運が良かったなと思います。ホームランボールは一度、甲子園歴史館に展示されてから戻ってきたので、今は実家に飾ってあります」
筑波大では1年春にリーグ戦でデビューをするも、「結果が出ずに苦しかったです」と初ヒットは2年秋まで持ち越し。本来の打撃を取り戻すきっかけとなったのは体幹トレーニングだった。
「高校時代は練習時間が長くてトレーニングも十分にできていたのですが、大学に入ってからは自主練習が多くなり、バットは振っていたのですが体幹トレーニングがしっかりとできていませんでした。そのため打球に力強さが欠けていたので、メディシンスローをやって鍛え直しました」
3年春からレギュラーポジションをつかむと、今春は打率.313をマークして、目標としていたベストナイン(一塁手部門)を獲得。
「ずっと目標にしていて、ちょっと重荷になっていたのですが、受賞することができて気持ちも楽になりました」
この夏は下半身の動きを見直してきた。
「春季リーグの途中から、しっかりと下半身を動かして体重移動することで自分のバッティングができると分かったので、股割りをした状態でティーバッティングなどをしながらフォームやスイングをチェックしてきました」
今季は開幕からの4試合で10打数3安打、7打点と四番の役割を果たしている。
「五番の西川鷹晴(4年・中京大中京高)の調子が良いので後ろにつなぐつもりで打席に立っています」
3月のオープン戦から主将で四番を任され、プレッシャーを感じていたところがあった。そんな米田にアドバイスをくれたのは、一昨年の主将だった西浦謙太(鷺宮製作所)だった。
「西浦さんから『一人でできることには限りがある。だから、背負いすぎるな』と言われました。それからは
岡城快生(4年・岡山一宮高)をはじめとした4年生に任せられるところは任せています」
米田はそう話していたが、そのキャプテンぶりについて川村卓監督は「キャプテンらしいキャプテン。チームが厳しい状況の時に鼓舞してくれる」と信頼を置いている。
テーマは『粘り強く戦って、後半勝負』
この日の帝京大3回戦では四番・サードで先発出場。1点リードの5回表には二死二塁のチャンスでファースト左へのゴロ。「ギリギリのタイミングだったので、気付いたらやっていました」という執念のヘッドスライディングで内野安打にすると、送球が逸れる間に二塁走者が生還してリードを広げた。
その後、同点に追いつかれたが「最少失点で抑えていれば、後半勝負ができる」と声を掛け、ベンチを勇気づけると7回表。米田がバントで作った一死二、三塁のチャンスで西川がライト線へ勝ち越しの2点タイムリーツーベース。8回表にはダブルプレーでチャンスが潰えたかに思えたが「カウントが有利だったので、ストライクを取りに来ると思っていました」と米田が右中間を破る二塁打。続く西川のタイムリーでホームを駆け抜けた。筑波大は7対3で勝利し、城西大に続いて、今季2つ目の勝ち点を挙げ、首位に立った。
「今年はチームとして『粘り強く戦って、後半勝負』をテーマに掲げてきました。自分たちから崩れずに、取れるアウトをしっかりと取ることで最後にはチャンスが来る。今日は少しミスもありましたが、投手陣が踏ん張って追い越されなかったのでしっかりと耐えることができました」と振り返った。
今季が学生最後のシーズンとなるが「最後まで戦い抜いて優勝できれば、気持ちよく終われると思います。個人としてはリーグ戦でまだホームランがないので1本、打ちたいです」と抱負を語った。春はあと1勝が足りずに勝率の差でリーグ制覇を逃し、秋に燃える筑波大。勝負強い打撃とリーダーシップを持つ主将に引っ張られ、この秋こそは、06年秋以来となるリーグ優勝を部員全員でつかみに行く。
文=大平明