骨折で戦線離脱

現在、打率リーグトップに立つが、ケガで戦列を離れた西川
あまりにも大きなアクシデントだ。
オリックスの
西川龍馬が、9月20日の
ソフトバンク戦(みずほPayPay)で、5回の打席で右すね付近に自打球を当て、その裏の守備から途中交代。福岡市内の病院で検査を受け、「右脛骨骨折」と診断を受けた。現在リーグトップの打率.310をマークしているが、シーズンの規定打席到達に31打席を残している。自身初の首位打者獲得が厳しい状況になった。
広島からFA移籍2年目の今年は春先から好調をキープ。際立つのは速い球への対応力だ。球種別で見ると、直球は打率.361と非常に高い。卓越したバットコントロールで変化球への適応力も抜きんでている。今年は二番を打つことが多いがチャンスメークするだけでなく、得点圏打率.349とポイントゲッターとしての活躍が目立つ。7月1日の
西武戦(那覇)で走塁中に左足首を痛めて途中交代し、「左足関節外側側副靱帯損傷」と診断されて戦線離脱したが、8月19日の
日本ハム戦(エスコン)から一軍に合流すると、9月14日に規定打席に到達した。
移籍1年目は不本意な成績
広島時代から打撃センスは際立っていた。見逃せばボール球やワンバウンドの球をヒットゾーンに飛ばすことも。同学年で仲が良かった
鈴木誠也(現カブス)が「アイツは天才」と評していた。野球人生の大きな転機を迎えたのが、2023年オフだ。8年間過ごした広島への愛着は強かったが、生まれ育った大阪に本拠地を置くオリックスにFA移籍を決断した。
だが、移籍1年目の昨年は悔しい結果になった。138試合出場で打率.258、7本塁打、46打点、11盗塁。セ・リーグからパ・リーグに移籍し、相手バッテリーの配球の違いに戸惑った部分があっただろう。特に剛速球を武器とするパワー系の投手に苦戦した。「今年やってきたことを全部、捨てました。何かを変えないといけない」とシーズン途中に危機感を口にし、「(パ・リーグは)球が強いというイメージでした。真っすぐに負けないように、と自分の中でちょっと変えたものがあって……」と明かしていた。
結果を残さなければ、外野の定位置を保証されている世界ではない。巻き返しを期した今年はオープン戦で打率.051と不振だったが、開幕すると7試合で3度の猛打賞と打線を牽引。その後も不安を払拭する活躍を見せていた。
豊富な練習量が土台
抜群の打撃センスで「天才打者」と評されるが、広島時代に培った練習量が土台になっている。西川はオリックスに移籍後に週刊ベースボールのインタビューで、以下のように語っていた。
「確かに疲れたり、張ったりはありますけど、結局、シーズンに入ると、どこかしら体が張るので、キャンプ中は気にしません。体が張るのはシーズンも絶対にあることなので、その中でどうやって、しっかりバットを振るかのほうが大事。シーズン中は万全ではないことのほうが多いので、体の張りとかを気にしてしまうと、その個所をかばって変な打ち方になったり、バランスが崩れたりする。そうなると、変なクセは付けたくないので、振る量が落ちてしまうんです。だからキャンプでは気にしない。痛みが出たり、自分の形で振れないほどの張りなら、さすがにやめますけどね(笑)。でも、張ったほうがいいこともあるんですよ」
「(手のマメは春季キャプ中に)いつもよりは、できますね。シーズン中は今みたいに振り込めないので。今(マメを)つくっておかないと、シーズン中に変なところにできてしまえば支障が出ることもある。そういう意味でも土台づくり。でも、僕はあんまりマメができないほうだと思いますよ。と言うより、(手の)皮が固くなっているので、そこまでできないんです。だから、できるとなると、変なところにできる。それって変な打ち方をしているから。だから、マメはできないほうがいいとも思っているんです。それに『振り込んでいるのでマメができる』というのは、それまで振ってこなかったような感じもありますし(笑)」
シーズン終盤に想定外の故障に見舞われたショックは大きいだろう。再びグラウンドで躍動する姿をファンは心待ちにしている。
写真=BBM