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阪神でMVP級の活躍 抜群の安定感誇る「佐々木朗希世代の左腕」は

 

球団記録の連続試合HP


左腕リリーバーとして優勝に貢献した及川


 2年ぶりのリーグ優勝を飾った阪神で、際立つのが救援陣の安定感だ。

 今季の救援防御率1.93はリーグトップ。守護神・岩崎優につなぐセットアッパーで、左右の両輪になっているのが石井大智及川雅貴だ。石井は51試合登板で1勝0敗9セーブ35ホールド、防御率0.18。48試合連続無失点とNPB新記録を更新している。及川も負けていない。リーグトップの65試合登板で6勝3敗1セーブ45ホールド、防御率0.89と自己最高の成績をマーク。9月23日のDeNA戦(横浜)で同点の7回に登板すると、先頭打者の林琢真をフルカウントから内角に食い込む142キロのカットボールで空振り三振に仕留めて降板。藤川球児監督が現役時代に記録したNPB 最長タイの17試合連続ホールドを達成。21試合連続ホールドポイントで球団記録も塗り替えた。

 横浜高では甲子園に3度出場。奥川恭伸(ヤクルト)、佐々木朗希(ドジャース)、西純矢(阪神)と共に「高校BIG4」と形容され、阪神にドラフト3位で入団した。高卒2年目の21年に39試合登板で10ホールドをマーク。23年は33試合に登板して3勝1敗7ホールド、防御率2.23でリーグ優勝、日本一に貢献した。だが、先発に転向した昨年は9試合登板にとどまり、1勝3敗、防御率2.76。シーズン後半は救援に回ったが一軍に定着できなかった。

安定感が高まった要因


 救援で巻き返しを誓った今年は春先から安定した投球を続けている。65試合登板のうち、失点を喫したのは8試合のみ。複数失点は一度もない。安定感が高まった要因は投球フォームを改良だった。週刊ベースボールのインタビューで以下のように語っていた。

「見直したという表現が合っていると思います。投げ始めのときに右肩がグッと入る感じで構えます。というのも、投げ始めていく中で、右肩が入り過ぎていた部分があったんです。それをセットポジションのときに最初から入れてから投げるようにしました。それでもいいときと悪いときがありました。それをさらに秋季キャンプで(藤川球児)監督に修正してもらいました」

「そのあと、あらためて去年の映像と、いいパフォーマンスが発揮できていた優勝した2023年のときの映像を見比べてみたんです。そうしたらまったく違っていました。意識していること自体はまったく変わってないのに……です。良いときには勝手に投球フォームが縦回転で回っていく感じなんです。去年の投げ方は、横回転、横ぶりの投げ方になっているという明らかな違いがありました」

「もともと横回転の投げ方には、気を付けないといけないな、と思っていました。入団当時から指摘されていた部分ではありましたので。そこをあらためて監督に指導してもらったという流れですね。さらに指導してもらった内容と、自分がやってきた内容を合わせてオフから試行錯誤してやっていきました」

起用法に表れる期待


 直球は145キロ前後と目を見張る速さではないが、球速表示以上のキレがあり、打者が差し込まれる。スライダー、カットボール、ツーシームと変化球の精度も高く、61回で63三振と三振奪取能力が高い。期待の大きさは起用法にも表れている。石井、岩崎、桐敷拓馬など実績のあるリリーバーたちは疲労を考慮して登録抹消された時期があるが、及川はシーズンを通じて一軍で投げた経験がないため、開幕から一度もファームに降格せず投げ続けている。

 もちろん、疲労を蓄積させないように首脳陣は考慮しているが、修羅場での登板を重ねることで心身共にたくましくなっている。昨年は一軍で登板機会が少なかっただけに、勝負を分ける局面で投げられることに喜びを感じているだろう。

 圧倒的な強さでリーグ優勝を飾ったが、戦いはまだ続く。CSファイナルステージを勝ち抜いて日本シリーズへ。頂点に上り詰めるためには及川の力が不可欠だ。

写真=BBM
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