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伊原春樹の全力主義

ソフトバンクに連覇を許した日本ハム 優勝から遠ざかった“継投”/伊原春樹の全力主義

 

大事な一戦で託したリリーフ


日本ハムを率いる新庄監督。惜しくも今季はチームを優勝に導けなかった


“大航海”の結末はリーグ優勝とはならなかった。9月27日、ソフトバンクの2年連続優勝が決定。新庄剛志監督が率いる日本ハムは9年ぶりの優勝に届かなかった。今年は前半戦、2009年以来の単独首位ターン。しかし、7月31日に2位へ陥落すると8月は15勝9敗、9月は14勝7敗と好調を維持したソフトバンクを追い越すことができなかった。

 私が日本ハムの戦いぶりを見ていて、ターニングポイントとなったのは9月18日、ソフトバンクとの直接対決だったと思う。日本ハムが勝利を収めればゲーム差は2.5と逆転優勝の可能性がふくらむ状況だった。この試合、先発の北山亘基が6回1/3を4安打1失点と力投。7回一死一、二塁からマウンドに上がった上原健太も火消しに成功し、2対1と日本ハムが1点リードで8回裏に突入した。

 ここで新庄監督がマウンドに送ったのは古林睿煬だった。来日1年目の右腕は先発で5試合に登板し、2勝1敗、防御率2.70をマーク。しかし、6月3日の阪神戦(エスコンF)で左内腹斜筋損傷を負って戦線離脱していた。イースタンでは9月10日に実戦復帰して1イニングを投げたのみ。この日に一軍昇格を果たしたばかりだった。

 古林の名前がコールされた瞬間、私は非常に嫌な予感がした。この大事なマウンドを託すには中継ぎの経験が不足していて荷が重いと思ったのだ。ベンチには田中正義や経験豊富なリリーフがいる。新庄監督お得意の“サプライズ起用”かもしれないが、勝たなければいけない試合で冒険が過ぎるように感じた。

 古林は先頭の中村晃を捕邪飛に仕留めたが、続く栗原陵矢に同点ソロを被弾。さらに柳町達に二塁打を浴び、野村勇は申告敬遠、海野隆司には四球を与える。一死満塁とピンチが拡大したところで降板。代わった田中が川瀬晃に押し出し球で2対3と勝ち越され、日本ハムは逆転負け。日本ハムは残り10試合でゲーム差は4.5と、極めて厳しい状況に陥ってしまった。

 確かに監督にとって投手の継投が一番頭を悩ますものだ。だが、負けられない一戦で、取り返しのつかない失敗は痛い。“たら”“れば”になってしまうが、あの場面で新庄監督が違う選択をしていたら……。今ごろ、パ・リーグのペナント争いはどうなっていたか考えてしまう。

写真=BBM
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