週刊ベースボールONLINE

高校野球リポート

【高校野球】低反発バットで夏甲子園2本塁打 新チーム初公式戦でも一発を放った日大三・田中諒

 

左中間へ豪快な同点ソロ


日大三高の主将・田中諒は秋の公式戦初戦でアーチを放ち、高校通算25号とした。右のスラッガーである[写真=BBM]


【10月12日】
秋季東京都大会1回戦
日大三高9-3大森学園高

 夏の甲子園の東・西東京代表校は一次予選が免除。都大会からの登場は「優遇」ではあるが、一方で実戦勘という「難題」に直面する。

「重たいゲームでした。たくさんの準備期間をいただきましたが、公式戦が1カ月以上、空いていましたので、難しかったです」(日大三高・三木有造監督)

 日大三高は今夏の甲子園で準優勝。ベンチ入りメンバー20人のうち17人が3年生で、下級生レギュラーは新チームで主将の田中諒(2年)のみ。この秋に背番号1を着ける根本智希(2年)は甲子園で15を着け、県岐阜商高との準決勝で先発。1年生で唯一ベンチ入り(背番号20)した福井理仁は外野手の守備要員として3試合の途中出場で、この秋は中堅の定位置を奪取し、背番号8を着けている。つまり、旧チームからの甲子園経験者は3人。名門・日大三高で、もともと力のある選手がそろっているとはいえ、公式戦は別ものだ。大森学園高との1回戦は2度勝ち越される苦しい展開も、1点を追う4回裏に一挙7得点を挙げて、9対3で逃げ切った。

 やはり、こうした節目ではチームリーダーが頼りになる。三番・田中諒は1対2の3回裏に左中間へ豪快な同点ソロアーチを放った。

「うまく体重を乗せて、あそこまで飛んでくれました。新チーム最初の公式戦で緊張はしましたが、変に力むことなく、そこは成長したところかもしれません。経験者は少ないですが、一人ひとりが自覚を持っています」

 今夏の甲子園では四番・一塁で出場し、豊橋中央高との2回戦、関東第一高との準々決勝で本塁打を記録した。昨春のセンバツから完全移行された低反発の新基準バットにおける、甲子園での複数アーチは初だった。同大会では5試合で打率.364、2本塁打、8打点と右の大砲は聖地で強烈なインパクトを残した。

 新チーム初の公式戦でも一発。これで高校通算25本塁打とした。繰り返しになるが、新基準バットでの数字だから、評価は高まる。田中はホームランの魅力についてこう語る。

「一番良い形のスイングができたときです。ただ、ここで満足するのではなく、次のことを考えていかないといけない。来春のセンバツに出場したいですが、一戦一戦、目の前の戦いに集中して、段階を踏んでいきたい。次の2回戦に向けて良い準備をしたいです」

打撃だけにとどまらないポテンシャル


 三木監督は田中を主将に据えた理由を明かす。

「もちろん、経験値を買いましたが、彼が主将でないと、逆に周りが気を使う。自らが先頭に立って、引っ張ってくれています」

 夏までは四番だったが、秋は三番に据える。旧チームの主将・本間律輝も不動の三番だった。三木監督は最も信頼する打者を置く。

「初回に回ってきますからね。仮に一、二番が凡退しても、三番が何かで出塁すれば、2回以降の打線の流れも変わってくる。田中の後ろを打つ選手がポイントになってきます」

 プロ注目の逸材。三木監督は卒業生の名前を挙げながら、田中の可能性について語った。

「打撃で秀でていたのは坂倉(坂倉将吾広島)で、芯を外しませんでした。田中は飛ばす力がある。自分のスイングができれば、打球スピードは相当、速いほうだと思います」

 田中のポテンシャルは打撃だけにとどまらない。もともと捕手で、今秋からは背番号2を着けている。大森学園高との1回戦は体調面が考慮され一塁を守ったが、三木監督は2回戦以降、マスクをかぶる可能性を示唆する。

「ふてぶてしいんです(苦笑)。肩も強い。ディフェンス面でも期待しています」

 高校卒業後の進路志望について、田中は「今はチームのことに集中していますので、先のことは考えられません。上のレベルではやりたい。木製バットをつかいこなせるようにしていきたいです」と、慎重に言葉を選んだ。

 名門校をけん引する主将であり、個人よりもチームだ。好きな選手は巨人岡本和真。180センチ92キロ。「打てる捕手」として、2026年の高校野球界をけん引しそうな予感がする。

文=岡本朋祐
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング