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首都大学リポート

【首都大学リポート】開幕連敗から逆転Vの主役となる日体大“剛腕トルネード右腕”馬場拓海

 

防御率は0点台に突入


日体大・馬場は数々のハードルを乗り越え、今秋からはエース格で活躍している[写真=大平明]


【10月12日】首都大学一部リーグ戦
日体大2−1筑波大(日体大2勝1敗)

 首都大学リーグ第6週1日目。ここまで4勝4敗、勝ち点1で4位につけている日体大が勝ち点を懸けて首位タイの筑波大3回戦に臨んだ。

 日体大の先発は前週を終えた時点で防御率1.03の好成績で、リーグトップに立った馬場拓海(3年・福岡大大濠高)。春までは150キロを超えるストレートを武器にリリーフをしていたが、今秋から1回戦の先発を任されている。「この夏、辻孟彦コーチから『オープン戦で5イニングを投げて良いピッチングができたら、秋は先発にする』と言われていたのですが、そこで結果を残すことができました」。

 チームの開幕戦となった武蔵大1回戦は6回途中まで投げて2失点。第2週の東海大1回戦では8回を1失点の好投だった。

「変化球を使い、120キロ台のスライダーで緩急をつけています。これまでは短いイニングしか投げていなかったのですが、長いイニングを投げるために抜くところが分かってきました」

 前週の筑波大1回戦で今季初勝利を挙げると、この日の筑波大3回戦は要所を締めるピッチング。3回裏は内野安打と死球などで二死二、三塁のピンチを招くも、今春の首位打者だった五番・西川鷹晴(4年・中京大中京高)をストレートで空振り三振。「低めの変化球でカウントが取れて、最後は少し抜けたのですが高めに強いストレートが投げられました」。

 球数が100球を超えたこともあり、5回を投げ終えたところで降板したが4三振で3安打無失点。防御率はついに0点台へ突入した。

「ピンチは多かったですが『1点もやらないぞ』という気持ちで投げました。防御率0点台はうれしいですが、あまり意識しないように今後も自分のピッチングを心掛けたいです」

 試合は四番・酒井成真(3年・東海大菅生高)が2回表に先制ソロ。3回表には才田和空(1年・東海大相模高)がセーフティスクイズを決めてリードすると、6回からの2イニングを関戸康介(4年・大阪桐蔭高)が1失点。8回からは伊藤大稀(4年・智弁和歌山高)へとつなぎ、9回裏は二死満塁とされたものの最後はセンターの小林聖周(2年・浦和学院高)が右中間への大飛球を倒れこみながらキャッチする大ファインプレーでゲームセット。2対1で筑波大を下し、勝ち点を2にしている。

今春リーグ戦で154キロを記録


 独特なトルネードのフォームは中学2年から。

「当時の指導者に『フォームがキレイすぎて、バッターからタイミングがとりやすい』と言われてトルネードにしたのですが、それからはバッターを抑えられるようになりました」

 福岡大大濠高では2年春にセンバツ出場。今秋のドラフト候補に名前が挙がる左腕・毛利海大(明大)をエースにチームは8強まで勝ち上がり、馬場も2試合に登板。具志川商高との2回戦では10回途中からマウンドに上がり、1回1/3回を無失点に抑えて勝利投手となった。ただ、東海大相模高との準々決勝では打ち込まれ「甲子園は内容が良くなくて、毛利さんに頼ってばかりでした。毛利さんと自分はタイプが違いますが、今も試合の映像を見て刺激を受けています」。

 その後、ヒジの故障により3年時は公式戦の登板はなく、日体大に進んだ。

「日体大は良いピッチャーが多い印象があり、ケガを持っている自分のこともしっかりと見てくれました」

 2学年上にいた寺西成騎(オリックス)も高校時代から長く故障に苦しんでいたが昨年、プロ入りを果たした。

「寺西さんにはリハビリ中にどんな練習をしていたのか教えていただきました。それからキャッチボールでは力感のないフォームから強いボールを投げていたので、自分も脱力することを意識しています」

 日体大では1年秋にリーグ戦デビュー。2年秋は再びヒジの不安でシーズンを棒に振ったが、今春に復帰した。

「大学に入ってからウエイト・トレーニングをするようになり、体重が高校時代の82キロから90キロまで増えました。写真を見返すと自分でも大きくなったなと感じます」

 すると、球速もアップ。高校では最速135キロだったが、この春のリーグ戦で154キロを記録した。「ベース板を通るときのボールの強さを求めて、リリースでは握りつぶすような感覚で投げています」。こうして今秋はエース格として活躍しており、古城隆利監督は「元々、ボールに強さがある投手。故障もあって少しずつ球数を増やしているところですがゲームをつくってくれていますし、いずれは完投もしてほしい」と話している。

 4チームが勝ち点2で並び、混戦にますます拍車がかかっている首都大学リーグ。馬場は「優勝して関東大会に出場するのが一番ですが、あまり遠くを見すぎずに目の前の1試合、1イニングをゼロで抑えていきたい」と語った。開幕は連敗スタートだった日体大だが逆転でのリーグ制覇へ、豪腕トルネードの右腕に期待がかかる。

文=大平明
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