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メジャー移籍、それとも国内FA権行使か…楽天・辰己涼介の「気になる去就」は

 

昨年は最多安打のタイトル


果たして来季、辰己はどのチームでプレーしているのか


 今オフの去就で注目される選手の一人が、楽天辰己涼介だ。球団にポスティングシステムでメジャー挑戦の希望を伝え、話し合いを重ねているが現時点では認められていないことが報じられている。国内FA権を取得しているため、NPBの他球団移籍を視野に権利を行使する選択肢も考えられる。俊足、強肩を生かしたセンターの守備能力は球界屈指で、打撃も昨年に最多安打を受賞した実績がある。FA権を行使するとなれば、複数の球団が獲得を検討する可能性が高い。

 昨年は自身初の全試合出場を果たし、打率.294、7本塁打、58打点、20盗塁をマーク。158安打でタイトルを獲得した。圧巻は守備での貢献度だ。中堅を守り、397刺殺をマーク。1948年の青田昇(巨人)の391を上回り、外野手シーズン最多刺殺のプロ野球記録を76年ぶりに更新した。他球団のコーチは「辰己の守備力で得点がいくつ防がれたか。背走して後ろの打球を処理する能力は球界の中で抜きんでている。足が速いだけでなく、打球判断も優れているから好捕できる。肩も強いだけでなく送球が正確です。守備と走塁はメジャーでも十分に通用すると思いますよ」と評価する。11月に開催されたプレミア12では、侍ジャパンに選出されて攻守の中心選手として先発起用された。

打撃の状態が上がらなかった今季


 さらなる飛躍が期待された今年だが、開幕から打撃の状態が上向かない。打率1割台に落ち込み、4月21日にファーム降格。約2週間後に再昇格後したが上昇気流に乗れず、下位を打つケースが多かった。

「九番・中堅」で先発出場した7月15日のオリックス戦(京セラドーム)では3点差を追いかける6回二死満塁の好機で山岡泰輔のスライダーを右翼席に運び、プロ7年目で初の満塁アーチ。侍ジャパンの井端弘和監督が視察する中で自己最多の5打点をたたき出し、「井端さんからラッキーパワーをもらった。そのパワーが今日の結果につながったかもしれない」と声を弾ませたが、好調が続かない。シーズンが佳境に入った9月は月間打率.115と苦しみ、同月20日に2度目の登録抹消に。114試合出場で打率.240、7本塁打、32打点とふるわず、チームにとっても大きな誤算だった。

20盗塁成功で失敗はゼロ


 ただ、辰己らしさを示した数字もある。20盗塁をマークして失敗はゼロ。今季20盗塁をクリアしたパリーグの8選手の中で、一度も失敗しなかったのは辰己のみだった。盗塁技術の高さは、コーチ時代から指導を受けている三木肇監督の教えが大きいだろう。盗塁を「構え」「リード」「帰塁」「スタート」「走路」「スライディング」「中間走」の7項目に分け、それぞれの技術を突き詰めていく。辰己はプロ2年目の20年に週刊ベースボールのインタビューで、盗塁の手応えや奥深さについて以下のように語っていた。

「これまでは『このけん制やったらもうちょっと出られるな』とか、『けん制が速いからもう少し縮めよう』ということをあまりしていなかったんです。と言うのも、そういうのは自分の基準があるからこそ、縮めたり広めたりできるものなので。ただ今年は自分の基準ができたことで、自分のリード幅と相手ピッチャーのけん制の速さを計算してリードを取ることができるようになってきましたね」

「帰塁、走路、スライディングなど本当に細かく教えてもらったのでどれというのは難しいのですが、一番は観察力ですかね。ピッチャーの動作や配球、状況判断など。やはり打球判断をする上で守備のポジショニングとかも見ておかないといけませんから、さまざまな物事をいろいろな視点で冷静に見たり、考えたりすることが塁上では求められています。それこそ先ほども言った、野球脳や考える力にもつながる部分。技術に関しては、練習でやっていることしか出ないと思うので」

 28歳とこれからプレーヤーとして脂が乗り切る時期に入る。野球人生の分岐点となる今オフ、辰己はどのような決断を下すか。

写真=BBM
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