延長タイブレークの末敗退

早実は岩倉高との東京都大会1回戦で敗退。今春に続くセンバツ出場は絶望的となった[写真=BBM]
【10月12日】
秋季東京都大会1回戦
岩倉高4x-3早実
1回戦屈指の好カードは手に汗握る攻防となった。今夏の東東京大会準優勝校・岩倉高が序盤3イニングで3点を奪い、主導権を握る。昨夏、今春の甲子園に出場した伝統校・早実も引き下がらない。5回表に2点をかえすと、土壇場の9回表に3対3の同点に追いついた。
持ち前の粘りで延長タイブレークへと持ち込むも、10回表は無得点。その裏、左翼を守り、四番手で9回から救援していた主将・田中孝太郎(2年)が力尽き、サヨナラ負けを喫した。来春のセンバツ出場は、絶望的である。
64歳。百戦錬磨の指揮官である和泉実監督は一塁ベンチから取材スペースに現れると、開口一番、こう言った。
「20人使った……。長いことやらせてもらっていますが、全部使ったのは初めてかと思います。結局は力負けでした。こういうゲームは追い越さないとダメ。追い越して、初めて五分五分となるんです……」
甲子園で幾多の名勝負を率いてきたベテランならではの視点である。敗因をこう明かす。
「エース(小俣
颯汰、2年)が打たれて(3回3失点)、四番(田中孝太郎)が何度もチャンスをつぶしている。他の選手が奮起したことは素晴らしかったですが、四番とエースが機能しないで勝てるほど、甘くはない。岩倉高校さんのほうが一枚も二枚も上でした」
そして、こう続けた。
「この新チームは甲子園を経験している主将・田中、エース・小俣を中心につくってきましたが、練り直さないとダメ。彼らも悔しいでしょうし、当然、奮起も期待しますが、2人だけに頼るのではなく、チーム全体を考え直す機会ととらえています。まだ先は長いので、しっかりやってくれればいい。今日の試合はいろいろな課題が出ました。このチームが強くなるための題材にしていきたいです」

百戦錬磨の早実・和泉監督は1回戦敗退を受け、試合後は今後の課題を語った[写真=BBM]
二番手のサイド右腕・酒本隆汰(1年)、三番手の左腕・石毛慎二郎(1年)が幾度もピンチを切り抜け、9回表には途中出場の片桐悠(2年)が同点タイムリーと、明るい材料もあった。和泉監督はいつもこう言う。「練習試合では、こういう雰囲気にならない。公式戦こそが成長する場」。20人の総力戦、この経験値は必ず、来春、夏へと生かされるはずだ。
文=岡本朋祐