リーグ戦通算20勝目

慶大・外丸はリーグ戦通算20勝。試合後はウイニングボールを手にポーズを取った[写真=矢野寿明]
【10月18日】
東京六大学リーグ戦第6週
慶大7-4立大(慶大1勝)
(延長11回)
2対2の10回裏二死一、二塁。7回裏から救援した三番手の水野敬太(2年・札幌南高)は好投を見せていたが、ここで堀井哲也監督は動いた。「(次打者の)落合君(落合智哉、3年・東邦高)はいいバッターですので、続投するか、外丸(外丸東眞、4年・前橋育英高)か。外丸のほうが若干、いいかな、と思いました」。背番号10のキャプテンにすべてを託した。
1年春から数えて、通算57試合目の登板だ。
「落ち着いて、特にプレッシャーを感じることもなく、マウンドに上がれた」
外丸は落合を抑えて、窮地をしのいだ。慶大は11回表に打者一巡の猛攻で5点を勝ち越し。その裏、粘る立大は2点をかえし、なおも、二死二、三塁。本塁打が出れば同点となるしびれる場面となった。三番・鈴木唯斗(4年・東邦高)の打球は左翼後方への飛球となったが、これをフェンス手前で捕球してゲームセット。3時間37分に及ぶ熱戦にピリオドが打たれた。

慶大・外丸は10回裏途中から救援。背番号10としての仕事を果たした[写真=矢野寿明]
外丸はリーグ戦通算20勝目を挙げた。
「今日に関しては、投げた投手が抑えてくれて、最後に勝ち越し。皆からもらった勝ちだと思います」
自身よりも先発の左腕・渡辺和大(3年・高松商高)が6回2失点でゲームメークし、7回からは二番手・水野がつないでくれたことを感謝するあたり、外丸の人柄が出ている。
下級生時代から「陸の王者」のエース
1年春から3年春まで、5季連続で勝利をマーク。2年秋はリーグ制覇、明治神宮大会優勝と下級生時代から「陸の王者」のエースとして、けん引してきた。コントロールの良さから「精密機械」とも言われた。ところが、昨秋は右肩大円筋肉離れのためシーズン途中離脱。入学以来、初めて未勝利に終わり、チームも5位に沈んだ。最終学年では、主将に就任。慶大で投手がキャプテンを務めるのは08年の右腕・相澤宏輔(熊本高)以来17年ぶりだった。チームを鼓舞しながらも春は5位、ラストシーズンの今秋もすでに優勝の可能性が消滅し、苦しい戦いが続いている。
「調子の良い年、シーズン、うまくいかないシーズンもあり、チームに勝ちをつけられなかった。20勝を積み重ねることができてうれしい」

11回裏、慶大の副将・今泉がバットを折りながらも決勝打を放った。まさに執念。4年生の意地だった[写真=矢野寿明]
天皇杯をつかむことはできなかったが、まだ、最上級生としての責務は残されている。この日、代打で決勝打を放った副将・今泉将(4年・慶應義塾高)のコメントが印象的だ。
「ここまでの戦いの中で、4年生がプレーで引っ張ることができなかった。この場面でこそ、やってやるぞ! と思った。気持ちで打ちました」
慶大はここまで勝ち点1。残るは立大戦、そして最終週の伝統の早慶戦である。通算勝利は「親友」であり「ライバル」を公言する早大・
伊藤樹(4年・仙台育英高)が21勝。チームのために腕を振る中で、最後の直接対決から目が離せない。外丸はこの日で通算投球回は現役最多の305イニングとなった。ラストゲームのゲームセットを迎えるまで、背番号10の雄姿を、後輩たちに見せ続ける。
文=岡本朋祐