地道な練習に取り組んで成長

城西大・木下はリリーフとして存在感を見せている[写真=大平明]
【10月19日】首都大学一部リーグ戦
城西大9-1武蔵大(城西大2勝)
首都大学リーグ第7週2日目。城西大が一部残留への望みをつなぐ勝ち点1を挙げた。2位タイにつける武蔵大2回戦。1回表に四番・西鍛治玄太(1年・日大三高)のタイムリースリーベースで先制すると、3回表には武井大智(4年・
西武台高)の2ランで追加点。ドラフト候補の松川玲央(4年・関西高)も2打席目にライトへ痛烈な当たりのヒットを放つと、4打席目は二死三塁からセンターへタイムリー。この2安打でリーグ通算の安打数を99本(1年春から3年春は二部、3年秋から一部)とし、四球も1つ。出塁したすべての場面で二盗を決め、3盗塁を記録した。
ヒジの故障の影響もあって指名打者での出場だったが試合前のノックでは守備も行っており、ドラフト会議を目前に控えて状態は上がってきている。その後も得点を重ねていった城西大。打線から援護をもらった先発の鈴木耀斗(1年・昌平高)は6回を1失点の好投。そして、7回からマウンドを引き継いだのが木下将暉(3年・川越初雁高)だ。
木下はサイドスローの変則左腕。セットポジションからゆっくり足を上げ、一度、おじぎをするように頭を下げてから投げ込んでくる。
「小学生のころはファーストをやっていたのですが、そのころからずっと横投げでプレーしていて、高校2年でピッチャーになった時もサイドスロー。そして、投げやすいように投げていたら今のフォームになりました」
川越初雁高では3年夏の埼玉大会で初戦敗退。しかし、延長12回を一人で投げ切る姿が村上文敏監督の目に留まり、城西大へ進学することとなった。
城西大ではなかなか芽が出なかったが、地道な練習に取り組んできた。
「ランメニューで走ることが多く、下半身を強化するためにポール間を全力で10本走ったりしてきました。自分はストレートのアベレージが120キロ台後半で球速がないのでコントロールが命なんですが、走ってきたおかげでコントロールが安定し、狙ったコースへ投げられるようになったんです」
さらに、この夏はウエイト・トレーニングを増やし、懸垂で背中を鍛えてきた。「背中を強化したことで、変化球を投げる時にしっかりと体が使えるようになりました」。高校時代はカーブとスライダーがメインだった変化球を増やし、今はカットボール、チェンジアップ、ツーシームも操る。「タイミングをずらしたくて球種を増やしたのですが、ピッチングの幅が広がりました」。
ドラフト候補も封じて
今シーズンの開幕カードとなった東海大1回戦でリーグ戦初登板。「めちゃめちゃ緊張しました」というが1回2/3を2安打無失点に抑えた。ドラフト候補の大塚瑠晏(4年・東海大相模高)も1回戦はセカンドフライ。翌日の2回戦は空振り三振に仕留め「カーブでタイミングをずらし、アウトコースとインコースを使い分けて抑えることができたので自信になりました。もともと左バッターのワンポイントとしてベンチに入れてもらっていますが、マウンドから見ていてもその左打者はかなり打ちづらそうにしていると感じています」。
その後も、リリーフとして起用され、これまでの全試合に登板している。「投げられるのがうれしいので、疲れはありません」。抜擢の理由について村上監督は「ストライク率が高かったのでB戦から起用したのですが、どんな場面でもビビらずに投げることができる。そして、自分の身の丈を知って短いイニングを淡々と投げてくれています」と評価。
今季は最長でも2回2/3しか投げていないが、前日までの9試合のうち8試合を無失点に抑えている。10試合目の登板となったこの日の武蔵大2回戦でも左打者2人を無難に抑えると、3人目の右打者に対してはインコースの真っすぐで見逃し三振。「クロスファイヤーのボールはブルペンでたくさん投げ込んできたので武器の一つになっています」。7回の1イニングを3者凡退に抑え、きっちりと仕事を果たした木下。チームも14安打で9点を挙げ、9対1で武蔵大を下し、今季初の勝ち点を挙げた。
来年に向け「もっと長いイニングを投げて勝利に貢献したい。目標はリーグ優勝なので、残留を目指して頑張ります」と話す木下。残留争いの行方は最終週までもつれることになったが、終盤の連勝で意気上がる城西大。このまま突き進んでいきたい。
文=大平明