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DeNAの左腕にメジャー復帰報道…「日本に来て進化している」高評価が

 

先発ローテーションの軸


今季は来日2年目で初の規定投球回に到達した


 5年間指揮をふるった三浦大輔監督が退任し、相川亮二新監督が就任したDeNA。横浜市内の球団事務所で10月20日に行われた就任会見で、「打線のほうは今シーズンもリーグ1位の得点力というところで、バッテリーを中心とした投手力がカギになる。バッテリーで戦えれば必ず優勝できる」と強調していた。

 阪神に首位独走を許した今年は、リーグ2位のチーム防御率2.94。決して悪い数字ではないが、リーグトップの阪神の2.21と比べると安定感を高める必要がある。その中で、退団となれば大きな痛手となるのが左腕のアンソニー・ケイだ。

 来日2年目の今季は24試合登板で9勝6敗、防御率1.74。自身初の規定投球回に到達し、先発ローテーションの軸として稼働した。9月15日の巨人戦(横浜)では126球の熱投で6安打完封勝利。11奪三振も自己最多だった。阪神戦は今季8試合登板で1勝2敗、防御率0.85。クリーンアップを打つ森下翔太を18打数無安打、大山悠輔を18打数2安打と抑え込んだ。巨人と対戦したCSファーストステージでは初戦のマウンドを託され、7回2安打2失点。「今日はベストな投球ではなかった」と制球に苦しんだが、要所をきっちり抑えた。2回に岡本和真岸田行倫に四球を与えて一死二、三塁のピンチを招いたが、リチャードは内角に食い込むカットボールで二飛に仕留め、山崎伊織を空振り三振で無失点に切り抜けた場面が大きなポイントになった。

安定感が増した投球


 ケイについて、他球団の選手は「日本に来て進化した投手」と評する。メジャーでは主にリリーバーだったが、DeNAに入団すると先発で起用された。来日1年目の昨季は制球に課題があり、打ち取った当たりが安打になるとマウンド上で叫ぶなどいら立ちを隠せなかったが、マインドコントロールに取り組んで淡々と投げ込むようになると、制球力が改善してパフォーマンスがグッと安定した。

 目を見張る活躍を見せたのが、日本一の下克上を果たした短期決戦だった。巨人と対戦したCSファイナルステージ第1戦(東京ドーム)で6回1安打無失点の好投。ソフトバンクと対戦した日本シリーズ第4戦でも、初回から3者連続三振を奪うなど7回7奪三振無失点の快投で優秀選手賞に選ばれた。

対左打者も向上


 野球評論家の伊原春樹氏は、ケイについて今年6月に週刊ベースボールのコラムで以下のように評していた。

「武器は平均球速152.8キロを誇るストレートにキレのあるカットボールだ。さらにスライダー、チェンジアップの精度も高くて球種が絞りづらい。特にカットボールは140キロ台後半の球速でストレートと見分けがつかず、打者の手元で変化するためバットの芯でとらえるのは難しいだろう。右打者も苦にしない。ストレート、カットボール、スライダーを内角へ投げ込み凡打を誘う。右打者は窮屈なバッティングに終始。見下ろして投げているように映り、被打率.179(117打数21安打)と仕事をさせていない」

 一方で、課題も指摘していた。

「ケイの持ち球には左打者の内角を突くボールがない。これでは左打者は内角を捨て、思い切って踏み込んで打つことができる。左腕ながら左打者の内角へ投げ込んで翻弄する先発として思い浮かぶのは宮城大弥(オリックス)だ。今季も左打者に対して被打率.178としっかり封じている。ケイは今季、ここまで4勝を挙げ、2ケタ勝利は視界に入ってくるだろう。以前取り上げた若手先発左腕の井上温大(巨人)、森翔平(広島)も同様だが、左打者の内角へ投げ切る技術を身に付ければ、10勝と言わず、12、13、14とさらに白星を積み上げていくことができるはずだ」

 対左打者が課題だったが、夏場以降に改善が見られるように。内角に食い込むツーシームを有効に使うようになったことで、決め球のスライダーが生きるように。左打者の被打率.207と昨年の.261から大幅に改善された。

 大黒柱となった左腕だが今オフ、メジャーへの復帰報道がメディアで報じられている。日本でステップアップして、新たな環境で進化を追い求めるか。動向が注目される。

写真=BBM
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