二軍監督から内部昇格
今季5年ぶりの最下位に沈んだヤクルト。2021、22年とリーグ連覇を飾ったが、23年以降は3年連続Bクラスと低迷し、チーム再建に向けて
池山隆寛新監督が就任した。
6年間務めた二軍監督からの内部昇格。都内で10月10日に行われた就任会見では、「めちゃめちゃうれしいという気持ちでいっぱいです」と笑みを浮かべた。今オフに
村上宗隆がポスティングシステムを利用してメジャーに挑戦する。球界を代表するスラッガーが抜けた穴はあまりにも大きいが「打ち勝つ野球」を理想に掲げ、「一番打つ人が抜け、そういう野球を目指せるかというのは自分の宿題でもある。ダイヤモンドを1回、白紙にしないと、そういう野球はできないかなと考えています」と強調した。
ケガの影響で今季は結果を残せず

来季は主力選手として1年間、チームの力になりたい長岡
ドラフト1位で
松下歩叶(法大)、2位で松川玲央(城西大)、6位で
石井巧(NTT東日本)を指名したのも、池山監督が掲げる攻撃的な野球が反映されているといってよいだろう。攻守で高水準のパフォーマンスを発揮する松下は村上の抜けた三塁手、松川、石井は即戦力の遊撃手として期待が大きい。
だが、現有戦力が活躍してもらわなければ、上位浮上は望めない。野手のキーマンとなるのが、
長岡秀樹だ。22年に遊撃の定位置をつかんでゴールデン・グラブ賞を受賞。リーグ連覇に貢献すると、昨年は全試合出場して最多安打(163本)のタイトルを獲得した。今年3月には侍ジャパンに初選出され、球界を代表する遊撃手に順調に駆け上がっているかに見えたが、シーズンは4月下旬に右後十字靱帯損傷で長期離脱したことが影響し、67試合出場で打率.243、0本塁打、13打点、1盗塁。本来の輝きを放てなかった。
長岡と同学年の01年はタレントの宝庫だ。
佐々木朗希(ドジャース)、
宮城大弥(
オリックス)、
及川雅貴(
阪神)、
紅林弘太郎(オリックス)、
岡林勇希(
中日)と球界を代表する選手たちが顔をそろえる。
長岡は週刊ベースボールのインタビューで、「高校時代の侍ジャパン(高校日本代表)のメンバーを見てもすごい選手がいるなとは思います。世代別に見てもトップクラスの選手がそろっているんじゃないかなと思いますね」と語った上で、「ドラフト5位入団ですし、高校時代は何も注目されていないですし。でも、そういう選手が一番になれるって、何て言うんですかね、例えば僕がまだ高校生だとして、プロにそういう選手がいたとしたら、希望を持てると思うんですよ。『こういう選手でも(一番に)なれるんだ』みたいな。そういう選手になりたいですね」と高い志を口にしていた。
2ケタ勝利がノルマ

奥川が先発ローテーションでフル稼働すれば大きい
高校時代に名を轟かせた同学年の投手は、チームメートにもいる。星稜高で2年春から4季連続出場して3年夏に準優勝へ導き、ドラフト1位指名で3球団が競合した
奥川恭伸だ。エースとして期待されているが、なかなか殻を破れない。自身初の開幕投手を務めた今年は勝てない時期が続き、ファームで再調整に。前半戦最後の登板となった7月19日の
広島戦(神宮)で7回3安打無失点と好投し、今季初勝利を挙げた。
「これまでチームに迷惑たくさん掛けてきたので、一つ勝ててほっとしています。勝つってこんなにうれしいんだなとあらためて思いましたね。自分のために勝ちたいというのはありますけど、それ以上にチームのみんなやいろんな人のためにもという気持ちもありました」とその後に3連勝を飾ったが好調を長く持続できず、18試合登板で4勝8敗、防御率4.32。先発の核になるためには、2ケタ勝利がノルマだ。
24歳の長岡と奥川が投打のリーダーとして、チームを引っ張らなければいけない立場になっている。長岡は「ずっと試合に出続けられていたら、観てくださるファンの方もうれしいんじゃないかなと思います。なので、どんなときでも出ている選手でいたいですね」と語っていた。同じポジションに新人が入ってきても、やるべきことは変わらない。V奪回に向けての戦いはもう始まっている。
写真=BBM