大事な一戦で好リリーフ

今季はクローザーとして10試合に登板した久野[写真=大平明]
【10月28日】首都大学一部リーグ戦
帝京大6-5日体大(帝京大2勝1敗)
首都大学リーグ第8週3日目。帝京大はリーグ最終戦で日体大と対戦(3回戦)。勝ったほうが2位となり、明治神宮大会出場をかけた横浜市長杯への出場権を得ることができる大事な一戦となった。
試合は日体大が2回表に田邊広大(4年・常総学院高)の一塁線を破る2点適時二塁打で先制。その裏、帝京大は池田竜己(4年・宇部鴻城高)がライトへソロ弾を放つと、3回裏は5本の単打に2死四球を絡めて4点を奪い、一気に逆転。一方、日体大も4回表に田邊が今度はレフトへ2ランを放ち、5回表は西田涼起(2年・明石商高)の左中間への適時二塁打で同点と、互いに譲らない熱戦となった。
均衡を破ったのは帝京大。6回裏、池田のタイムリーで1点を勝ち越すと、リードを守るために8回からマウンドに上がったのがリリーフエースの久野陽真(4年・岡山学芸館高)だ。「マウンドに上がる時は『最悪、同点に追いつかれても、今季の好調な打線ならすぐに勝ち越してくれる』と思っていたので、強気でいきました」。
配球は得意のストレートが中心だった。
「MAXは144キロでそこまで速くないのですが、投げるイニングが短いこともあってアベレージは142〜143キロとほとんど変わらないのでバッターを押すことができています」
8回を無失点に抑えたが、9回表は一死から四球。さらに、バッテリーミスとエラーが重なり一死三塁のピンチを迎えた。しかし、「クイックじゃなくなって、ゆっくりと足を上げられるので投げやすくなった」と前向きに捉え、キャッチャーへのファウルフライで2つ目のアウトを取ると、最後のバッターもストレートで攻めきってレフトフライ。
「アウトコースを狙ったボールが真ん中寄りに入ったのですが、レフトフライに打ち取れてよかった。自分を信じて、サインを出してくれたキャッチャーの池田竜己(4年・宇部鴻城高)に感謝です」
ゲームセットの瞬間、大きなガッツポーズを見せた久野。ベンチからはチームメートが駆け出してきたが「抑えはみんなが笑顔で駆け寄ってくるところを一番最初に見られるポジション。あの光景が見たくて投げているところがあります」と笑顔を見せた。
チームは一丸となり2位確保
リーグ戦デビューはまだ二部に在籍していた2年春。3年春から一部に昇格し、主にリリーフとして登板していたが今春は4位に終わり「不甲斐ない結果だったので、秋こそは頑張ろうと思っていました」と一念発起。この夏はストレートを磨くため、ボックスジャンプの練習を取り入れてきた。
「球速はあまり上がりませんでしたが、春よりも打たれることが減ったので効果はあったと感じています」
今季はクローザーを任されて10試合に登板。指揮を執る唐澤良一監督は「よく練習する選手なので、マウンドには『しっかりと練習をしているのだから自信をもっていけ』と送り出しています」と話している。
今秋、チームは開幕から2勝3敗のスタートだったが、粘り強い戦いで上位に食らいついていった。
「残留を目指して頑張ろうというところから上の順位が見えるようになり、主将の宮城塁(4年・山口県桜ヶ丘高)を中心に『チームのために頑張ろう』と一体感を持って戦えるようになりました」
チームは一丸となり、この日の日体大戦は15試合目だったが、この最終決戦を6対5で制して2位を確保。
「昨春の大学野球選手権は先輩に神宮球場へ連れていってもらったのですが、今季は自分たちが後輩を関東大会へ連れていくことができました」
横浜スタジアムで行われる横浜市長杯だが、実は唐澤監督の帝京大はまだ勝ったことがないという。恩返しするためにも「自分たちの代で1勝して、それから一つずつ勝っていければ」と久野。卒業後は社会人で野球を続けることが決まっているが「学生最後のシーズンで良い思い出を作りたいです」と再び神宮の杜へ戻ることを目指す。
文=大平明