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ファームで投手2冠も戦力外 他球団の注目度が高い「実力派右腕」は

 

直近2年は一軍登板なし


今季は二軍で9回を挙げ、防御率2.48をマークしていた板東


 リーグ連覇を飾ったソフトバンクは投打の選手層が厚い。チーム内でハイレベルな競争が繰り広げられる中で、登板機会が少なくなっていた実績のある投手たちが戦力構想から外れることに。武田翔太又吉克樹のほか、先発と救援で計114試合登板した板東湧梧もチームを離れることになった。

 今年は2年連続一軍登板なしに終わったが、ウエスタンリーグで9勝2敗、防御率2.48で最優秀防御率、最高勝率(.818)の2冠に。他球団のスカウトは「打者を打ち取る術を知っている投手。直球の球速が上がってくれば一軍でもまだまだ十分に通用すると思う」と指摘する。150キロ近い球速だった直球が140キロ前後に低下していることは確かに気になる。フォークなど変化球の質は高いだけに、直球の球威を取り戻せば投球の幅が広がるだろう。

 コンディションに大きな問題を抱えているわけではなく、29歳という年齢を考えると、まだまだここでは終われない。JR東日本からドラフト4位で入団すると、2021年に救援で自己最多の44試合に登板し、1セーブ16ホールド、防御率2.52をマーク。翌22年は先発、救援で起用され、レギュラーシーズン最終戦で優勝の懸かった10月2日のロッテ戦(ZOZOマリン)で5回無失点と好投した。

 シーズン終盤は走者を出しても動じず、決定打を許さない。その姿に大きな成長が。板東は週刊ベースボールのインタビューで、「『ランナーが出ても変わらない』とは結構言われたりしましたね。『ランナーが出ても落ち着いてるね』と。そこはすごく自分の中でも成長だなと思っていて。今までだったら点を取られたらヤバイとか、ランナーが出たら点を取られるんじゃないかとか思っていましたけど、とにかく目の前に集中しようと。結果を気にしないというか、一瞬一瞬を考えていたら、自然とそういうふうになっていました」と手ごたえを口にしていた。

秋季キャンプでのコーチとの会話


 22年の秋季キャンプでは、当時の斉藤和巳一軍投手コーチ(現ソフトバンク三軍監督)との会話が印象に残ったという。

「まず一番に言われたのは『お前は何勝を目標にしているんだ?』と。僕は『2ケタ勝利です』と答えたんですが、そのときに『お前、具体的な数字を言わんかい』という話になって。自分としては2ケタとしか思っていなかったので、あらためて考えてみて『15勝』と言ったんです。そしたら『分かった。お前は15勝するって今言ったから、そういう投手の振る舞いを、それができる練習をするんだぞ』と言われました。重さを感じたというか。確かにな、と思いましたね」

 斎藤コーチは現役時代に最多勝、最優秀防御率のタイトルを2度獲得し、沢村賞を2度受賞するなど球界を代表するエースとして活躍した。勝利への執着心を前面に出す投球スタイルは後輩たちにも語り継がれていただけに、重みのある助言だった。

戦力外後、他球団で活躍する外野手


 さらなる高みを目指したが、その後は試練が訪れる。23年は先発、救援に計30試合登板して5勝4敗1ホールド、防御率3.04をマークしたが、昨年は球の出力が上がらず開幕二軍スタートに。ファームで調整したが本来の状態を取り戻せず、プロ1年目の19年以来5年ぶりの一軍登板なしに終わった。今季はファームで先発として稼働していたが、一軍の投手陣が充実している背景もあり、最後まで声が掛かることはなかった。

 投手と野手の違いがあるが、ソフトバンクから戦力外通告を受けて他球団で復活した選手がいる。上林誠知は23年オフに退団した中日に移籍すると、今季134試合出場で打率.270、17本塁打、52打点、27盗塁をマーク。選手間投票で8年ぶりに球宴に出場し、球団史上10年ぶりの「2ケタ本塁打&2ケタ盗塁」を達成した。板東は上林と同学年で、ソフトバンク時代にチームメートとしてプレーしている。先発、救援と起用法の幅が広い右腕をどのように評価するか。吉報を待ち、トレーニングを続ける。

写真=BBM
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