大黒柱の働きぶり

今年も14勝を挙げて最多勝を獲得し、リーグ優勝、日本一に貢献した有原
5年ぶりの日本一に輝いた
ソフトバンクだが、3年契約が終わるエースの
有原航平がメジャーに再挑戦する報道がスポーツ紙で一斉に報じられた。
有原は2020年オフに
日本ハムからポスティングシステムを利用し、レンジャーズに移籍。2年間プレーし、ソフトバンクで日本球界に復帰した。その後の活躍は申し分ない。3年連続で2ケタ勝利をマークし、2年連続開幕投手を務めた昨年、今年は14勝を挙げて最多勝を獲得。2年連続170イニング以上を投げ、まさに大黒柱の働きぶりだった。今年の日本シリーズも第1戦と第5戦に先発し、日本一に貢献した。
「一番成長できる場所」
ソフトバンクに入団した理由について、有原は週刊ベースボールのインタビューで以下のように語っていた。
「一番の決め手は、とにかく先発がしたかったので、そこを第一に考えました。それでいろいろと考えたときに、自分が一番成長できるなと思ったのが、ここだった。環境もそうですし、チームの選手のこととか、いろいろと中のことも聞いたりして、その説明を聞いた上で『今の自分に一番合っているな』と思ったので。メジャーに行くときもそうでしたけど、自分が一番成長できる場所というところでの決断です」
移籍1年目はスタートから順調だったわけではない。オープン戦に2試合登板で防御率10.29と結果を残せず、開幕から2カ月間をファームで過ごすことに。だが、「二軍では調整も自分のペースでやらせてもらっていましたし、コーチやスタッフさんにもたくさんアドバイスをいただきました。いい時間になりましたね。もちろん開幕から一軍で投げられるのが一番良かったですが、二軍スタートになった分、しっかりと自分のために時間を使えたのかなと思います」と焦りはなかった。
6月に一軍昇格すると安定した投球を続け、チームが52年ぶりの12連敗中と異様な雰囲気に包まれていた7月25日の
オリックス戦(京セラドーム)では6安打11奪三振で移籍後初の完封勝利。120回2/3と規定投球回には届かなかったが、チームトップの10勝、防御率2.31をマークした。
メジャー経験が大きな学び
直球、ツーシーム、チェンジアップ、カットボール、フォークと多彩な球種を織り交ぜて打者を打ち取る。スタミナも十分で走者を背負っても決定打を許さない。レンジャーズでは右肩を故障した影響もあり、2年間で計3勝にとどまったが、その経験が大きな学びになっている。
「やっぱり活躍はできなかったので、もちろんすごく悔しかったですが、本当に毎日、新たな刺激がありました。また違う野球を見れたというか。選手一人ひとり、考え方も違う。やっぱり主張がすごく強かったりして、そういうのを見て本当に勉強になりましたね」
「本当にいっぱいありますけど、やっぱり『切り替え』の部分ですかね。向こうの選手って、すごく怒ってブチ切れる(笑)イメージがあると思います。もちろん全然怒らない選手もいますが、すごく怒る選手でも、ちょっと怒って帰ってきたら、もう切り替えていたりして。やっぱりみんな、引きずるのは意味がないと分かっている。それがあらためて、すごいなって。どうしても打たれたら次の日とかもちょっと暗い感じになるんですけど、向こうの選手ってそういうのがあんまり、僕が接してきた選手の中ではなかった。そういう切り替えってすごく大事だなと思いました。変に気にし過ぎるより次のことをしっかり考えようというのをコーチとかも言ってくれますし、そういう心の準備の仕方ですよね。試合は続いていくので、すぐに切り替えて次に行くというところは、すごく勉強になりました」
ソフトバンクでエースとしての地位を築いたが、メジャーに再挑戦したい思いが大きなモチベーションになっていたかもしれない。球団は来年以降も必要不可欠な戦力として全力で慰留に努めるが、本人の意思を尊重して自由契約になる可能性がある。国内他球団も獲得に乗り出すことが十分に考えられる中で、去就が注目される。
写真=BBM